急速に変貌を遂げるアジア。経済の成長により暮らしが豊かになる一方で、経済的な格差や環境破壊などさまざまな問題が一気に表面化している。また農村部では都市部への若い世代の流出によって人手が足りなくなりつつある。それを補うために、さらに生産の効率化や作業の軽労化、人口増に対する食料の安定供給などにつながる農業の機械化の推進が急がれる。これらは日本でも高度成長期から続く長年の問題であり、アジアではそれが目まぐるしいスピードで進行しているのである。
クボタとアジアの関わりは長い。距離の近さはもちろん、同じ稲作が盛んなエリアであることも大きな理由である。1960年の台湾に始まり、1968年マレーシア、1972年インドネシア、1978年タイ、1988年フィリピン、そして1998年には中国へと次々と拠点をつくり事業展開していく。その背景として、クボタはこれまで日本の稲作市場で培った総合力を生かし、国や地域によって異なる経済や文化、農業の状況に応じたサポートによって、さまざまな課題解決のお手伝いができると考えたからである。
アジアの農業は収穫面積が日本の数倍もあり、今後さらなる可能性を秘めている。農業機械だけではなく、サービスやコンサルティングなど、トータルな体制で、今後も現地の農家に寄り添いながら農村部の豊かさや各国の経済の成長と安定、食料自給率の向上など、アジア各国の発展への貢献をめざしている。