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130年の技術と経験をクロスさせる。「より良い農業×より良い社会」の実現を目指すクボタの挑戦

2020 . 01 . 17 / Fri

「より良い農業×より良い社会」の実現を目指すクボタの挑戦

文・写真=クボタプレス編集部

毎年1月に、クボタの感謝の意と事業ビジョンをお伝えし、新製品・サービスをご紹介する「クボタ新春のつどい」。創業130周年を迎える今回は、「クボタが描く未来のコンセプトトラクタ」が登場しました。

創業より「社会課題の解決」を使命として事業を展開してきたクボタ。とりわけ食料分野では、日本の農業のあるべき姿を描き、農家の課題に寄り添いながら、時代が求める製品・サービスを開発してきました。130周年を迎える今、クボタが取り組む「食料・水・環境」分野の課題は、これまで以上に相互に関係し、より一体的な取り組みが必要になってきています。

今回発表したコンセプトトラクタは、クボタが描く、持続的な社会を見据えた農業の未来像「Social Agri」を目指す、技術開発のひとつの方向性を示すものです。
農業を起点に「食料・水・環境」分野の相互にクロスする課題に向き合ってまいります。

クボタの農業への技術開発の使命とは。

一見するとロボットアニメのメカや、SF映画の乗り物のような印象すら与え、トラクタとは思えないデザインのコンセプトトラクタ。完全無人の自動運転、かつ完全電動で環境へのやさしさも意識した設計のため、キャビン(運転席)もなければ、給油口もありません。

しかし、クボタが今回お伝えしたいことは、その外見や機能のコンセプトだけではなく、私たちクボタが目指す「未来への想い」なのです。

クボタが描く未来の農業ビジョン「Social Agri」

休耕期間が終わり、田を耕す時期に差し掛かった初夏のある日。
充電ベースにつながれたコンセプトトラクタが静かに起動します。
動き出す前に、まずは登録された圃場マップ、天候の予測データにアクセス、同時にドローンへ指令を出し、最新の圃場の状態をセンシングし、作業計画を策定します。

農業経営者からの計画の承認を得て、コンセプトトラクタが発進。
人力を一切必要とせず働き続け、ネットワークで接続された他の農機やシステムと通信・連携しながら作業を進めます。耕うん、代掻きから、田植え、畝立て、追肥、農薬散布など、収穫までに必要なあらゆる仕事を、最適なタイミングで着実に完了していきます。

農場の経営者は、トラクタから送られる作業や圃場の状態を、随時スマートフォンなどの端末から確認することできます。

これまで長年の勘に頼らざるを得なかった作業は、様々なデータに基づき管理、計画されAIの学習効果により進化していきます。農作業は計画に基づき、驚くべき正確さで推進され、遠隔地から機械を操作することもできます。

これまでも、クボタは「スマート農業」の実現に向けて、超省力化や超精密化のカギとなる「自動化」に業界に先駆けて取り組み、2017年には自動運転トラクタ“アグリロボ トラクタ”を販売するなど、技術開発を進めてまいりました。

しかし、クボタが目指す未来像「Social Agri」は、単なる「農業の無人化」の実現だけではありません。

現在、日本の農業は就業人口の減少や、就業者の高齢化という課題を抱えています。
一方で、戦後の復興から高度経済成長を経て、「お腹いっぱい食べられること」が満足だった時代から、「より美味しいもの」、そして「安心・安全」が求められる時代となりました。栄養素などの「機能」を求めるニーズも顕在化してきており、「食」への要求はどんどん高度になってきています。
さらに、食料生産における持続可能性も問われる時代になっています。農作業の際の「水」の確保や使用をはじめとする、総合的な「環境」への配慮も考えていかなければなりません。

こういった、労働力の課題や消費者のニーズの変化に向き合いながら、より価値の高い作物を生産し続ける。そのためには、農家の皆さんにお使いいただくテクノロジーの進化をクボタが支え続けること。そして農業を起点により良い社会を目指し、農業の魅力をより高めること。そのために、クボタは農業における技術開発に取り組むべきだと考えます。

「人間の想い」に「技術」をクロスさせ、新たな価値を創造する。

このコンセプトトラクタには、未来に向けた新たな価値創造に向けて、クボタ社内の様々な技術や経験を、“結合・融合”し、お客様ニーズや社外の技術と“協創”を通して、未来に向けた新たなイノベーションを生み出す姿勢を込めています。

自動化やAIの進歩により、「農業へのビジョン」の重要性が高まると語る
(富山トラクタ総合事業部長)

昨今、技術の進歩により従来の作業がテクノロジーで置き換えられていく一方で、人間が果たすべき役割はよりクリエイティブな領域へと変化していきます。農業においても一人ひとりの生産者が描く、「農業へのビジョンや意味」がさらに重要になるのではないでしょうか?
「どんな農業をしたいか」「どんな作物を作りたいか」。あるいは、「豊かな自然環境を守りたい」といった生産者、経営者としての“想い”は、機械やAIには生み出せません。そして、「想い」がなければ、テクノロジーも生まれないのです。

当社は、1970年に大阪府で開催された日本万国博覧会の「クボタ館」で、優れた機能性や冷暖房を完備した快適な居住性と安全性、容易な操作性など当時の技術を結集させた「夢のトラクタ タレント25」を展示しました。1970年より50年を迎える2020年までの中で、当時の「農作業を快適に」という想いは、キャビン搭載による居住性と安全性、また各種油圧機器の進化等による操作性の向上など、様々な技術開発により、当時の「想い」の多くが実現されています。

1970年 大阪万博 クボタ館で展示された 夢のトラクタ

大阪万博「クボタ館」(写真提供:大林組)

今回発表した「未来のコンセプトトラクタ」は、クボタの「未来への想い」に向けた技術開発の方向性のひとつとして示させていただきました。この発表が、より多くの「未来の農業や社会への想い」を喚起し、多くの想いとの「結合」や「融合」、また「協創」によるイノベーションの創出に繋がるよう、取り組んでまいります。

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