Our Challenges

社会課題
kv画像

使った水をきれいに処理して自然に還す
公衆衛生、そして環境保全のために

伝染病の流行は、科学技術や医療が発展した現代においても、全人類に関わる問題だ。

欧州諸国では、14世紀頃、農業が発展し都市人口が増加したが、まだ下水道が整備されていなかったため、都市部の衛生環境が悪化し、欧州全土でペスト(黒死病)と呼ばれる伝染病が大流行した。このため、フランス・パリや、イギリス・ロンドンにおいて下水道の敷設が始まり、雨水や汚水は管渠(かんきょ)を通じて河川などに放流するようになった。しかし、当時の下水道は処理施設を持たず、汚水を直接、河川や海に流していたため、水源の水質汚濁が進行。その後、19世紀におけるコレラの大流行という苦い経験を経て、ロンドンでは近代的下水道工事に着手。欧州諸国で公衆衛生の改善や環境保全への関心が高まり、本格的な下水道整備が始まった。※1

そして1900年代に入り、欧州では他地域に先駆けて下水処理場が造られ、排水の水質基準が設けられた。また、産業発展にともない、徐々にその基準も厳しくなっていった。
そのような状況の中、クボタは微生物を利用した新しい排水処理システムを開発。汚れた水をきれいにしてから河川などに流すことができる技術であった。いまや、液中膜※2に生物処理を組み合わせたその技術は、小規模下水処理場から産業排水の処理、大型公共下水処理場まで幅広い対応を可能にし、排水の水質改善に貢献している。

公衆衛生、そして環境保全のために、使った水をきれいに処理して自然に還す。それは先進国だけでなく、近代化が進む発展途上国に至るまで、全世界の人々の暮らしにとってますます重要な課題となっている。クボタは液中膜をはじめ培ってきた水浄化の技術を、日本から欧州、そしてアメリカやアジアへと展開。国境を越え、世界の水問題に取り組んでいく。

注釈
  • ※1出典 国土交通省 都市・地域整備局 下水道部ウェブサイト 「下水道の歴史」より
  • ※2液中膜 膜の微細孔を利用して活性汚泥と処理水とを分離するための膜ろ過装置のこと
Our Challengesトップに戻る