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小規模と大規模。二極化する農家に、
それぞれの課題を解決する最適な提案を

2000年代、クボタは農業機械+営農※1技術で最適な答えを農家に提案し、
日本農業の復活に向けて動き出す

WMO(世界気象機関)によると「2001~2010年は最も暑い10年だった」※2という。さらに、世界各地で相次いで異常気象が発生し、大きな問題となっていた。日本でも年間の平均気温が上がり、特に夏は猛暑日※3が続くようになった。また、何十年に一度といわれるような豪雨が毎年のように各地を襲い、台風は年々大型化して災害を引き起こしていた。農業への被害も深刻でその対策が急がれた。特に農業は自然が相手であるため、気象に大きく左右される。こうした異常気象に耐えられるような農法が、経験の浅い人はもちろん、ベテラン農家からも望まれていた。その上、高齢化が原因で農家の小規模化と大規模化の二極化が鮮明になり、それぞれに収益の向上策や省力化・省コスト化、軽労化などが必要となっていた。機械の進化だけでは解決できない課題が日本農業の前に大きく立ちはだかっていた。

農家の規模や状況に応じてさまざまな解決策を提案
農家の規模や状況に応じてさまざまな解決策を提案
鉄コーティングが施され茶色になっている種籾
鉄コーティングの仕組みイメージ(断面)
写真/鉄コーティングが施され茶色になっている種籾
図/鉄コーティングの仕組みイメージ(断面)

クボタは1990年代中頃から、このような課題を解決するためにソリューション型の活動を始めていたが、さらにそれを強化していった。農業機械化知識や栽培知識・農業経営の専門知識を持った人材を育てる。例えば長年付き合いがあり、高齢ながら農業に取り組む小規模農家には、営農に関する最新の情報提供や気候変動に強い米づくりなどの情報を提案して農業の継続をサポート。担い手※4には生産性の向上やコスト削減、高収益化などと併せて最適な機械化の提案をするなど、農家それぞれに応じた解決策を提供していた。

「鉄コ」により、育苗や移植といった作業が不要となり軽労化・低コスト化を実現(写真は移植作業)
「鉄コ」により、育苗や移植といった作業が不要となり軽労化・低コスト化を実現(写真は移植作業)

それと並行して、より軽労化し、生産効率を高めて収益の向上に役立つ栽培技術もクボタは模索していた。その一例が「鉄コーティングもみによる直播(ちょくは)農法(以下 鉄コ)」である。鉄コの開発は、米の生産地である新潟県の農家の声がきっかけだった。すぐさまその農家や自治体、関係団体などと共同研究を開始。さまざまな試行錯誤を経て、2007年、種もみに鉄をコーティングし直播を可能にする農法「鉄コ」が誕生した。鉄コは、水田に直接もみをまくだけなので、育苗や苗の運搬、田植えが不要となり、コストや労力を大幅に削減。規模の大小を問わず軽労化や生産性、コストなど、課題の解決を大幅に進めた。クボタは、このように従来の農業機械というハードに加え、多彩な営農技術というソフトを組み合わせて最適な農業経営を提案することで、あらゆる規模の農家を支え、継続性のある日本農業を支援している。

注釈
  • ※1営農 農業を営むこと
  • ※2出典 国連の世界気象機関(WMO)「2001~2020年の世界気象に関する報告書」より
  • ※3猛暑日 最高気温が摂氏35度以上の日
  • ※4担い手 農業政策における独特の表現で、専業・準専業の農家や法人など、地域の農業を牽引する農業従事者のこと
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