Our Challenges

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環境

深刻化する大気汚染
年々強化される排出ガス規制に即応し、
地球環境と人々の暮らしの両立を図る

電子・化学技術からのアプローチでエンジンの性能の限界を突破
2012年、日米欧ノンロードディーゼル第4次排出ガス規制に適合

1990年代に入ると、環境問題のグローバル化は一層進み、多くの国々で大気汚染が深刻な問題となっていた。大気汚染問題は、都市化が進む国や地域だけの問題にとどまらず、風下にある国や地域で生活する人々に対しても影響を与える可能性のあるボーダレスな問題であり、世界経済を発展させるためには、世界中の産業が取り組む必要のある大きな社会課題といえる。世界中にエンジンを提供するクボタにとっても、エンジンの環境対応は最優先で取り組むべき課題となった。

グローバルなエンジンニーズに応えるクボタエンジンサービスディーラーネットワーク
グローバルなエンジンニーズに応えるクボタエンジンサービスディーラーネットワーク

既に1970年代からスタートしていた乗用車向け排出ガス規制と同様に、産業用ディーゼルエンジンにも規制の目が向けられるようになったのも、ちょうどこの頃である。アメリカのカリフォルニア州で19kW(25.5馬力)未満のULGE(ユーティリティ、芝刈り等、グランドケア用エンジン)仕様のディーゼルエンジンでCARB ULGE規制※1が実施されることになると、クボタはそれに先駆け、1993年に同規制を世界で初めてクリア。以後、段階を追って厳しくなる規制にエンジンの機械性能を高めることで対応を行ってきた。

厳しい排ガス規制への対応をリードしてきたクボタのエンジン
厳しい排ガス規制への対応をリードしてきたクボタのエンジン
常にエンジンの新たな領域への研究開発に挑む
常にエンジンの新たな領域への研究開発に挑む

しかし、2012年に日米欧で開始されたノンロードディーゼル第4次排出ガス規制では、もはや機械性能の改良だけでは乗り越えることが難しいと考えられた。そこで、搭載しやすいコンパクトなサイズという従来型機種の特徴は維持しながらも、電子・化学技術からのアプローチを行うことで、さらに基本性能の向上を図るという難題に挑戦した。その結果、排出する空気をより効率よく浄化することが可能になり、DPF※2やDOC※3を搭載していない以前のエンジンと比較すると約92%以上のPM※4低減に成功。さらに、出力向上や低騒音化などの性能も向上した。

そして、2019年に欧州を皮切りに開始された第5次排出ガス規制に対しても、19kW(25.5馬力)未満の小型ディーゼルエンジン(11型式)の認証をいち早く取得するとともに、動力としてのニーズが高まる大型産業用エンジンをはじめ、クボタエンジン各モデルに対して続々と規制認証を取得してきている。また、アジア諸国においては、爆発的な人口増加と経済発展に伴う都市大気汚染が深刻化してきており、今後、環境規制が強化される傾向にあることは間違いない。クボタは、地球環境と産業発展を共存できる動力としてのエンジンを、これからもより多くの利用者の生活を豊かにするために提供し続けていく。

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注釈
  • ※1CARB ULGE規制 カリフォルニア州大気資源局の排ガス規制で、汎用、芝生、園芸用機器に搭載するエンジンに適用される
  • ※2DPF  Diesel particulate filterの略。ディーゼルエンジンの排気ガス中の粒子状物質を軽減させるフィルターのこと
  • ※3DOC  Diesel Oxidation Catalystの略。ディーゼル用酸化触媒のこと
  • ※4PM 排出ガス中のすすなどの浮遊粒子状物質のこと
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