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常に笑顔とチャレンジを絶やさないルーキークボタスピアーズ・根塚洸雅選手の
どんな環境でもプラス思考を続ける秘訣

2022 . 08 . 23 / Tue

クボタスピアーズ船橋・東京ベイのグラウンドで、ボールを持って芝生に座りながら笑顔を見せる根塚洸雅選手。

文:クボタプレス編集部
写真:クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、クボタプレス編集部

日本ラグビーの新リーグ「NTTジャパンラグビー リーグワン」の2022年シーズンで、3位の成績を収めたクボタスピアーズ船橋・東京ベイ(以下、クボタスピアーズ)。躍進したチームで輝きを放った選手の一人が、ルーキーの根塚洸雅選手です。

第7節のトヨタヴェルブリッツ戦でデビューした根塚選手は、その試合でプレーヤー・オブ・ザ・マッチを獲得。シーズンでは10試合に出場して4トライ、リーグ最多となる22回のラインブレイク*をマークし、新人賞、ベストフィフティーン、ベストラインブレイカー賞を受賞しました。

  • 相手チームが作った守備のラインを突破すること。

初年度から目覚ましい活躍を見せた根塚選手のトレードマークは「笑顔」です。今回のクボタプレスでは、常にプラス思考を持ちながら笑顔でラグビーに取り組む根塚選手の、ラグビーへの向き合い方を紐解いていきます。

初めてのポジションでもプラス思考で取り組む

クボタスピアーズのグラウンドで、練習に打ち込む根塚選手。その顔はいつも笑顔であり、ラグビーを心から楽しんでいることが伝わってきます。それを根塚選手に伝えると、「楽しんでプレーすることは、僕のラグビーのベースになっています」との答えが返ってきました。

クボタスピアーズ船橋・東京ベイのグラウンドで、笑顔でインタビューに応える根塚洸雅選手。

根塚洸雅(ねづか こうが)選手。兵庫県出身。東海大学付属仰星高校(現・東海大学付属大阪仰星高校)、法政大学を経て、2021年にクボタスピアーズに入団。ルーキーながらリーグワン2022シーズンで3つの賞を受賞すると、日本代表の予備軍にあたるナショナル・デベロップメント・スコッド(NDS)にも選出されました。

高校、大学ではCTB(センター)やFB(フルバック)として活躍した根塚選手ですが、クボタスピアーズではWTB(ウイング)としてプレーしています。入団前、ほとんどプレーしたことがないWTBでの起用を打診された根塚選手は、迷うことなく「やります」と答えたと言います。

「常にチャレンジすることを心がけていて、プレーしたことのないポジションでも、絶対にノーと言わないようにしています。自分の可能性や視野が広がりますし、これまでと違ったスキルも身につくので、自分にとって良いことしかないと思っています」

クボタスピアーズ入団後は、田邉淳アシスタントコーチを始め、日本代表でも活躍するゲラード・ファンデンヒーファー選手や一つ上の先輩でもある山﨑洋之選手など、分け隔てなく周りの選手・コーチにWTBのプレーについて質問したり、アドバイスを受けたとのこと。他の選手の良いプレーもどんどん吸収しながら自分流にアレンジし、根塚選手なりのWTB像を形作っていきました。

デビュー戦となったトヨタヴェルブリッツ戦の試合後、笑顔でチームメイトとハイタッチを交わす根塚洸雅選手。

試合前、「一番楽しんで試合をしたい」と語ったデビュー戦を勝利で飾り、笑顔でハイタッチを交わす根塚選手。

社会人になって変わった、逆境でも前を向く考え方

グラウンド上で常にチャレンジを続ける根塚選手ですが、時にはミスをすることもあります。そんな時は、どのように切り替えているのでしょうか。

「僕の場合は、まずミスをした理由を考えます。そして改善策をしっかりイメージする。そうして頭の中で準備しておくことで、次に同じような局面が来た際に一瞬で判断ができ、良いプレーにつながります。あとは、落ち込んでもあまり意味がないので、寝て切り替えています(笑)。チャレンジした上で失敗するのは悪いことではなく、次につなげればいいと考えています」

クボタスピアーズには、チャレンジを促す文化が根づいており、練習中もチャレンジした上でのミスには誰も怒ったりすることはありません。「だからこそ『今日こういうプレーをしてみよう』と前向きになることができます。僕にとっては、ラグビーに打ち込みやすい環境と言えます」(根塚選手)。

クボタスピアーズ船橋・東京ベイのグラウンドで、チームメイトなど、自身を取り巻く環境について語る根塚洸雅選手。

「自分がチャレンジしたプレーがうまくいかなかった時は、何が良くなかったのか周りの方々が教えてくれます」と語る根塚選手。チーム内に、選手のチャレンジを受け入れる土壌ができていることが伺えます。

このような環境に身を置いて、根塚選手の中で最も変わった点は、自分たちのプレーがうまくいかない状況での考え方です。根塚選手が「印象に残っています」と言いながら紹介してくれたのは、チームメイトであり、ニュージーランド代表として48試合に出場した経験を持つ、ライアン・クロッティ選手の言葉でした。

「クロッツ(ライアン・クロッティ選手)は『相手に100%の力を発揮されたら、自分たちが何をしてもトライを取られる時は取られる。相手のプレーではなく、自分たちがどのようにボールを奪取するのかにフォーカスして考えよう 』とよく言います。自分たちがやるべきプレーにフォーカスするという考えが、チームに浸透しています」

ラグビーは相手がいるスポーツである以上、自分たちのプレーがうまくいかない時もあります。例えば、ディフェンス時になかなかマイボールにできないことも珍しくありません。そんな逆境でこそ、「自分たちがコントロールできることに注力し、ディフェンスがうまくいく時間帯を増やしていけばいい、と考えるようになりました」と根塚選手。こうした考え方が身についたことは、「社会人になって一番変わったことです」と振り返っていました。

両親の笑顔が「まず自分がラグビーを楽しむ」きっかけに

根塚選手が、常にラグビーを楽しむことを心がけるようになったきっかけは、小学生のころに患った不整脈でした。

「ひどい時は、ジョギングもできませんでした。遊び盛りの歳に運動できないことが辛く、両親にあたってしまうこともありました」

しかし中学生になったころ、いつものように病院へ行って診察を受けると、悩まされていた不整脈が快復。「病院の先生も『奇跡や』と言うくらい、きれいに解消されていたみたいです」(根塚選手)。以来、身体の心配をすることなくスポーツを楽しめるようになりました。

「運動ができること、ラグビーができることは本当にうれしかったです。あのころ、運動ができなかった時間を過ごしてきたからこそ、身体が動く時は『無理』『できない』と決めつけず、悔いが残らないように、できることを全力で楽しもう、チャレンジしようとしています」

不整脈を克服し、ラグビーに打ち込んでいった根塚選手は、「周りの人を笑顔にしたい」という思いを強くしていきます。「小さいころに迷惑をかけてきた両親が、自分の試合を見て笑顔になってくれたことがうれしかったんです。それがきっかけで、自分のラグビーで周りの人が笑顔になってほしい、そのためにはまず自分が楽しんで笑顔になろうと考えるようになりました」

ラグビーでたくさんの人々を笑顔にしたいという思いを胸に、日本最高峰のリーグまでたどり着いた根塚選手。次にめざすのは、クボタスピアーズのさらなる躍進と、2023年に開催されるラグビーワールドカップで桜のジャージに袖を通すことです。

「ラグビーで皆さんに笑顔になってほしいので、もっと見ていてワクワクするようなプレーヤーになりたいです。そして、僕が小学生のころは知らなかったラグビーの楽しさを、より多くの子どもたちに伝えていけるような存在になりたいと思っています」

クボタスピアーズ船橋・東京ベイのグラウンドにあるゴールポストのそばで、ボールを手に笑顔で写真に収まる根塚洸雅選手。

最後まで笑顔でインタビューに応じてくださった根塚選手。今後のさらなる活躍に期待がかかります。

編集後記

根塚選手は、株式会社クボタの社員でもあります。市川工場の勤労・環境安全課に所属し、普段は工場で働く方々のサポート業務に取り組んでいます。仕事は「わからないことだらけ」ながら、「新しいことに取り組むのは好きですし、今までになかった知識や考え方が身についてきました」と、業務にも持ち前のプラス思考で取り組んでいます。いついかなる環境でも物事をポジティブに捉えることを忘れない姿勢と、周りの人を笑顔にしたいという言葉に、「壁にぶつかっても、まずはプラス思考で考えてみよう」と、何事も前向きに取り組む大切さを実感したインタビューとなりました。

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