会議室で、ラグビーボールを前に笑顔で写真に収まる玉塚元一さん、石川充さん。

2022 . 01 . 05 / Wed

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2022年に開幕する「ジャパンラグビー リーグワン」に注目ラグビー新リーグ・初代理事長の玉塚元一さんが語るビジョンとは

文:クボタプレス編集部

2021年に日本ラグビーの新リーグ「ジャパンラグビー リーグワン」(以下、リーグワン)が発足し、いよいよ1月7日より2022年のシーズンが開幕します。19年間の歴史を積み重ねてきた前身のジャパンラグビー トップリーグから装いを新たにし、24チームが3つのディビジョンに分かれて、総当たりのリーグ戦を繰り広げます。

今回のクボタプレスでは、リーグワンの初代理事長を務める玉塚元一さんにインタビューを実施。さらに開幕戦を飾るクボタスピアーズ船橋・東京ベイ(以下、クボタスピアーズ)のゼネラルマネージャー(以下、GM)の石川充さんにも取材し、リーグとチームそれぞれが描くビジョンに迫ります。

日本ラグビー界の歴史と高まり続ける熱気

日本にラグビーが伝わったのは、今から100年以上も前の1899年のこと。以来、日本のラグビーは大学スポーツや社会人スポーツとして発展していきました。

2003年には、全国の社会人チームの強豪が一堂に会するジャパンラグビー トップリーグが発足し、ハイレベルなリーグ戦の中で数々の名勝負が展開されました。さらに、2015年のラグビーワールドカップ(以下、W杯)イングランド大会では日本代表が強豪・南アフリカを撃破。アジア初開催となった2019年のラグビーW杯日本大会では、日本代表が初のベスト8進出を果たすなど、日本のラグビー熱は年々その高まりを見せています。

日本ラグビー界の歴史と主な出来事

参考:日本ラグビーフットボール協会ホームページ「歴史・沿革」

リーグワン初代理事長・玉塚さんが描く未来像と果たすべき役割

いよいよ開幕する、日本ラグビーの新たな1ページ「ジャパンラグビー リーグワン」。この新リーグの将来像を、初代理事長である玉塚元一さんに伺いました。

会議室でインタビューに応える玉塚元一さん。

玉塚元一(たまつか げんいち)さん。大手アパレル企業、コンビニエンスストアフランチャイズ企業など、日本を代表する企業のトップを歴任。2021年よりジャパンラグビー リーグワンの運営法人理事長を務める。高校、大学ではラグビー部に所属し、フランカーとして活躍。

――2019年のラグビーW杯日本大会は、日本のラグビー界にとって大きなターニングポイントとなりました。

「One for All, All for One、ノーサイド、自己犠牲など、ラグビーの持つ精神性と日本人の気質がマッチするという、ラグビーの可能性を多くの人々が感じた大会でした。リーグワンでは、あのW杯の感動を新しいプラットフォームで作っていこうとしています」

――新リーグは、どのようなことに取り組んでいこうとしていますか?

「2022年から最初の3年間をステージ1と位置づけ、参加する24チームとそれぞれ連携しながら、ラグビーの価値を高めようとしています。例えば顧客データの統合プラットフォームの立ち上げ、各チームの取り組みにおけるベストプラクティスの収集・伝搬などといった施策が考えられます。各チームのエキサイティングな試合をファンの皆さんに届け、ラグビーの価値や魅力をさらに高めていくために、リーグとしてやれることはたくさんあります。」

――ステージ2以降の展望はいかがでしょうか。

「アジアで存在感を示すラグビーリーグとなって、アジアのラグビーシーンを盛り上げることが最終的にめざすビジョンです。ラグビーは南半球や欧州では盛り上がっていますが、アジアにはぽっかりと穴が空いています。リーグワンというコンテンツをうまく活用してプレゼンスを高めることができれば、南半球や欧州からハイレベルな選手が参加し、アジアで大変ユニークなラグビーのリーグができると思っています」

――新リーグでは、トップリーグ時代と比べて各チームに大きな興行権が与えられています。これにより、チームは自身でチケットを販売したり、イベントを企画したりすることができます。その中で、リーグワンの果たすべき役割を教えてください。

「それぞれのチームが地域に密着しながら創意工夫を重ねていくことで、組織力が上がり、ラグビーそのものが魅力的になっていくと考えています。プラットフォームである我々リーグワンの役割は、リーグで繰り広げられるハイレベルで魅力的なラグビーを多くの方々に広める方法を考え、スピード感を持って実行していくことです」

ステークホルダーとともに、ラグビーの真の価値を高めていく

――リーグワンの理念として、バリュー、ビジョン、ミッションからなる「MIND IDENTITY」が掲げられています。ここに込めた思いを聞かせてください。

「ラグビーの精神性を普遍的な価値と捉え、永遠に伝承・発展させていこうという強い思いを『みんなのために FOR ALL』というバリューに込めています。また、スポーツの興行は地域密着でファン層を広げていかなければうまくいきません。地域と一体となり、地域から世界で戦えるチームや選手を輩出していこうという意志を『あなたの街から、世界最高をつくる』というビジョンに反映させました」

リーグワン公式サイトに掲載されている「MIND IDENTITY」。

力強いメッセージとともに掲げられた、リーグワンのMIND IDENTITY(出典:https://league-one.jp/

――愛されるリーグになるために、どのようなことが必要だと考えていますか?

「ファン、選手、チームを常に最上位概念として物事を考えることです。どんなことがあっても、これは変わりません。ファンがいなければそもそも成り立ちませんし、選手がいきいきとプレーできなければおもしろい試合にはなりません。そのためにはチーム自体が健全であることが必要です。リーグや日本ラグビーフットボール協会、チームの母体企業、リーグのパートナー企業は、相互に協力しながらファンや選手、チームを支えていきます」

――リーグはステークホルダーとどんなことを取り組もうとしていますか?

「例えば、リーグワンには事業共創パートナーがいます。事業共創パートナーとは、ラグビーを通じてともに新しい事業価値と社会価値を創造する企業です。具体的には、デジタルコンテンツやファンエンゲージメントのあり方を模索し、ファンの方々にラグビーの魅力やおもしろさを伝えていくなどといった取り組みですね。他にも異なる立場のステークホルダーが数多く存在しますが、お互いに考えや情報をオープンにして、ともにラグビーの真の価値を高めていこうとしています」

――ありがとうございます。いよいよ間近に迫った開幕戦への期待や注目選手を聞かせていただけますか?

「クボタスピアーズならばピーター(・ラブスカフニ)選手が大好きです。私と同じポジションですし、プレーがアグレッシブで、キャプテンシーも感じます。クボタスピアーズには他にも立川理道選手など良い選手がたくさんいるし、開幕戦は良いゲームを期待しています」

――最後に、リーグワンに期待を寄せている方々にメッセージをお願いします。

「ラグビーには、他のスポーツにはない稀有な精神性があります。多くの感動を感じてもらえる球技なので、ラグビー界全体を応援していただきたいです。また、我々はラグビーの裾野を広げることも非常に重要だと考えています。ラグビーは自分の頭で考え、勝った喜びや負けた悔しさ、そして仲間の大切さを感じられるスポーツですので、ぜひ子どもたちにもプレーしてほしいと思います」

リーグワンのビジョンについて熱く語る玉塚元一さん。

玉塚さんは力強い視線とともに、リーグのビジョンを情熱的に語ってくださいました。

クボタスピアーズが見据える、チームの価値の最大化

昨季はプレーオフトーナメント準決勝まで駒を進め、躍進の年としたクボタスピアーズ。リーグワンでの最初のシーズンとなる今季は初優勝をめざすと同時に、引き続き「Proud Billboard」をチームビジョンに掲げ、強く愛されるチーム、ステークホルダーにとっての「誇りの広告塔」となることをめざします。

興行権を得たことで以前よりも独自の活動がしやすくなった新リーグにおいて、クボタスピアーズがどのような将来像を描いているのか、クボタスピアーズのGMである石川さんに伺いました。

会議室で笑顔を交えながらインタビューに応える石川充さん。

石川充(いしかわ みつる)さん。1992年にクボタへ入社し、チームが初の全国社会人大会出場を果たした1997年までスクラムハーフとしてプレー。2012年からGM職に就き、クボタスピアーズのチーム強化に力を注いでいます。

――チームの興行権が大きくなった今季、どんなことに取り組もうとされていますか?

「新リーグがめざしているのは『社会化』と『事業化』の2つだと捉えています。社会化で言えば、クボタスピアーズは以前から社会貢献活動などによって地域社会との接点を作ってきました。しかしその先にある、ラグビーをきっかけにステークホルダーと事業共創を行っていく事業化という視点では課題がありました。新リーグでは、チームとステークホルダーがともに発展していく関係性を築き、地域にクボタスピアーズがいて良かったと思ってもらえるようチームの価値を最大化させていこうとしています」

――ステークホルダーにとって魅力あるチームとは、どんなチームと考えていますか?

「『正しいことを正しくやる』チームですね。ヘッドコーチであるフラン・ルディケの哲学なのですが、これをチーム全体で共有し、正しさに基づいたスタンダードを作っていくことが大切です」

――フラン・ルディケ体制も7年目に突入し、その哲学もチーム内に浸透しているように思います。

「試合に出場しない選手を見ると特にそう感じますね。次の試合に向けて、彼らは試合に出場するメンバーの練習相手になります。そのために、プライベートの時間を相手チームの分析に充て、忠実に動きを再現することに励むなどして、常にチームのことを考えて過ごします。チームのために果たすべき役割を、すべての選手が正確に捉えられるようになってきました。これは運営スタッフも同様です」

――チームが成熟していることが伺えます。最後に、今季への意気込みを教えてください。

「ファンやステークホルダーの皆さんにとって誇りに感じてもらえるような試合を行っていきます。たくさんの方々に我々の試合を見に来ていただき、クボタスピアーズを通じて多くのつながりが生まれてほしいと思います」

2022年シーズンから使用される、クボタスピアーズ船橋・東京ベイの新ユニフォーム。

コロナ禍でラグビーファンに元気を与えたいという思いから、明るい蛍光色を取り入れたクボタスピアーズの新ユニフォーム。これを身にまとい、選手たちはチームスローガンとして掲げる「NEXT LEVEL」をめざします。

編集後記

「ラグビーをやってきた者からすると夢のような1か月だった」と玉塚さんが語るほど、日本中が歓喜に沸いたラグビーW杯の自国開催。その火を絶やすまいと、リーグワンとクボタスピアーズはさらに先を見据え、ラグビーの価値を高めるビジョンを描いていました。今以上にたくさんの人々がラグビーの魅力を知り、スタジアムに足を運ぶようにするという強い決意を、お二人の語り口から感じた取材となりました。

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