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PEOPLE

地域社会に愛される存在になるためにクボタスピアーズの選手たちが語る
「わたしたちが社会貢献活動に込める思い」

2021 . 01 . 22 / Fri

医療センター小児科病棟を訪れ、子どもたちと触れ合うクボタスピアーズの選手たち

写真・文:クボタプレス編集部

2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2月23日の第6節を最後に中断となったジャパンラグビートップリーグ。2021シーズンの開幕時期は2月初旬~中旬に予定されており、およそ1年ぶりとなるトップリーグの試合を心待ちにしているファンの方も多いのではないでしょうか。新たな戦力として11名の選手も加入し、ますますの活躍が期待されるクボタスピアーズは、優勝を目指して戦っていきます。

そのクボタスピアーズが、グラウンド外でさまざまな社会貢献活動を行っていることをご存知でしょうか。今回のクボタプレスでは、クボタスピアーズの普及・育成担当スタッフである栗原 喬さんと、立川理道選手、今野達朗選手、ピーター・ラブスカフニ選手へのインタビューを通じて、クボタスピアーズが社会貢献活動を行うことの意義、そして参加している選手たちの思いに迫ります。

社会貢献活動の原点にある「Proud Billboard」

2017年にホームタウン宣言を行った千葉県船橋市を中心に、以前よりさまざまな社会貢献活動を行っているクボタスピアーズ。さまざまな年齢の子どもたちを対象としたラグビー教室やタグラグビー授業、台風の被災地を応援しようと2015年に始まったたんぼラグビー、障がいを抱える子どもたちとのラグビー交流会、地域の防犯活動活性化を目的とするパトロールランニングなど、活動は多岐に渡ります。

こうした活動の原点には、「Proud Billboard ~強く、愛されるチームを目指し、ステークホルダーの『誇りの広告塔』となる~」というチームビジョンがあると語るのは、クボタスピアーズ普及・育成担当の栗原 喬さんです。

栗原 喬(くりはら たかし)さん。クボタスピアーズでは2019年より普及・育成を担当し、社会貢献活動やラグビーの普及活動に尽力しています。

社会貢献活動を含めたクボタスピアーズのすべての活動は、「Proud Billboard」というチームビジョンに基づいて行われているとのこと。その中でチームは「勝ち」と「価値」を追求し、チームビジョンの達成を目指しています。

「社会貢献活動は、主に『価値』を追求する取り組みです」と栗原さん。「地域に密着したラグビーチームとして、社会貢献活動を通じて地域の活性化や課題解決に寄与し、地域社会や住民にとって存在意義のある組織になることが我々の使命です」と、活動の意義を語りました。

この「Proud Billboard」はチーム全員に浸透していると話すのは、クボタスピアーズで2016年よりキャプテンを務める立川理道選手。「チームビジョンに記されているステークホルダーには、家族やファン、クボタの従業員のほかに、地域の方々も含まれています。地域の方との関係性や交流は、チーム全員が大事だと思っていることです」(立川選手)。

クボタスピアーズのグラウンド上で、チームビジョンについて語る立川理道選手

立川理道(たてかわ はるみち)選手。2012年にクボタスピアーズに入団。2015年にはラグビーワールドカップに出場するなど、日本代表としての経験も豊富な頼れるキャプテン。ポジションはCTB(センター)、SO(スタンドオフ)。

ラグビーを通じて、子どもたちが成長できる環境を作りたい

クボタスピアーズの社会貢献活動の多くはラグビーに関連したもの。ラグビー教室やラグビー体験イベントなど、特に子どもたちが実際にラグビーを体験したり、プレーが学べる場を提供する活動が数多く行われており、2019年度は計25回、2,100人を超える子どもたちにラグビーの楽しさを伝えました。

選手たちは、こうした子どもたちがスポーツを楽しめる場や環境を作り上げることに熱心です。クボタスピアーズに10年以上所属し、社会貢献活動を「やるのが当たり前になっている」という今野達朗選手は、「スポーツを楽しめるコミュニティを子どもたちに提供し、その輪を広げることに貢献したい」と自身の思いを語ります。

クボタスピアーズのグラウンド上で、子どもたちがスポーツを楽しめる環境を作ることについて語る今野達朗選手

今野達朗(こんの たつろう)選手。2009年に入団し、クボタスピアーズで10年以上のキャリアを重ね、2011年から2013年キャプテンも務めました。中学生のラグビーの競技機会増加とスキル向上を目的に、2014年より開講されているクボタスピアーズアカデミーではコーチも務めています。ポジションはLO(ロック)。

「ポジティブな環境で学んでほしい」と話すのは、日本代表として2019年ワールドカップでも活躍したピーター・ラブスカフニ選手。「慣れないことにチャレンジし、周りの人と助け合ってみんなで成長できるのがラグビーです。子どもたちがプレーする際には、前向きな気持ちで新しいことを学んだり、成長したりすることができる環境を作りたいと思っています」(ラブスカフニ選手)。

ピーター・ラブスカフニ選手。2016年の入団以来、「ラピース」の愛称で親しまれているFL(フランカー)。2019年に日本代表初キャップをマークし、同年のワールドカップでは予選プールと決勝トーナメントの全5試合に出場。チームの躍進に貢献しました。

以前はラグビーという競技の知名度が低く、ラグビー教室を開催しても子どもたちの反応が乏しかった時期もあったそうです。しかし、日本代表が当時の世界ランキング3位の南アフリカを撃破したラグビーワールドカップ2015、そして自国開催となったラグビーワールドカップ2019を機に状況が一変。イベントに参加した大半の子どもたちがラグビーを知っており、より積極的に取り組むようになったといいます。

「地道にやってきたことが、ワールドカップをきっかけに実を結んだように感じます」という今野選手は、「子どもたちからの反応があると教えている僕たちもうれしいし、教えることがより楽しくなりました。子どもたちがもっとラグビーを楽しめる環境を作っていきたいですね」と笑顔を見せていました。

年に1回開催(2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止)されている「クボタスピアーズラグビーフェスティバル」では、子どもたち同士の試合やラグビー体験会、選手と参加者の交流イベントなど、さまざまな催しが実施されています。

社会貢献活動の目的意識を深めるSDGsの取り組み

クボタスピアーズが所属するジャパンラグビートップリーグは、「ラグビーを通じて誰も取り残さない社会へ」を基本理念とし、2019-2020シーズンよりSDGs*への取り組みを開始しました。クボタスピアーズはそれに先駆け、以前より社会貢献活動を通じたSDGsの認知向上とその達成に貢献することを目指しています。その一環として、2019年12月にはクボタ社内の協力のもと、選手がSDGsを学ぶ講習会を行いました。

  • 国連サミットで合意された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す17の国際目標である 「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称。

この講習会の狙いは、選手がクボタとクボタスピアーズそれぞれの社会貢献活動とSDGsのつながりを理解すること。そして、選手が自身の行う各活動の目的意識を明確にすることです。「何か新しいことをするわけではなく、今まで積み重ねてきた活動がSDGsにつながることをチーム全体が理解し、継続して実施していくことが大事だと考えています」と栗原さんは語ります。

クボタスピアーズの選手がチームスーツに着用するSDGsバッジ

クボタスピアーズの選手は、遠征時に着用するチームスーツにSDGsバッジをつけています。

クボタスピアーズのクラブハウス内には、SDGsの17目標のうちチームが取り組むべきものが掲出されています。選手たちはこうしたSDGsの取り組みが「Proud Billboard」につながっている感覚を持っているとのこと。ラブスカフニ選手も「SDGsへの理解を深めれば活動内容もより良くなっていくと思います」と、SDGsに関する取り組みに積極的な姿勢を見せていました。

これからも、ラグビーを通じて社会に活力を与えたい

2020年、新型コロナウイルス感染拡大によって社会が生活様式の変化を余儀なくされる中、チームはオンラインに舞台を移して活動を継続。トークイベントやラグビーのルール解説など、多彩なプログラムを通じてファンや地域社会との関わりを持ち続け、ラグビーの魅力や楽しさを届けてきました。

コロナ禍という困難の中でもクボタスピアーズが活動をやめなかったのは、「ラグビーによってファンに元気を届けたい」という思いがあったから。創意と勇気をもって未知の世界に挑戦するというクボタの精神・姿勢が根付いているのかもしれません。どのような状況においても、チームビジョンの「Proud Billboard」達成に向けて活動を行っていることが伺える、象徴的な一年でした。

「社会貢献活動に終わりはありません。明確なビジョンのもと、今後もコツコツと継続的に活動を行っていきます」と栗原さん。チームビジョンの達成と地域社会に愛されるチームを目指し、ラグビーを通じた取り組みでファンや地域社会の方々に活力を与えていきたいという、クボタスピアーズ全体の思いが感じられる取材となりました。

クボタスピアーズのグラウンド上で、笑顔で写真に収まる今野達朗選手、立川理道選手、ピーター・ラブスカフニ選手

笑顔を交えながら取材に応じてくれた今野選手、立川選手、ラブスカフニ選手。トップリーグ2021シーズンでの3選手の活躍とクボタスピアーズの躍進に期待がかかります。

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