上水道には、安全な水を安定して供給することが求められる。日本の水道水は蛇口からそのまま飲むことができる衛生的な水であり、世界的に見ても評価は高い。しかし、そのような日本でも、1960年代後半から1970年代は、水の汚濁が顕在化した時代であった。
海や湖では、富栄養化によって水中にプランクトンが異常繁殖し赤潮などが発生。また、都市の水源である河川でも、人口増加や高度経済成長にともなう産業発展により、汚れた工場排水や生活排水が流れ込み、水質が悪化。そのような状況の中、水道水には、カビ臭などの異臭味がつき、社会全体で問題視されるようになった。
1980年代半ばになると、水は安全であることはもちろん、質の高さが求められる時代へと変わっていった。水道に求められたのは、浄化されていることだけではなく、飲み水として異臭味のない「おいしい水」であること、さらに、「おいしい水」を多くの人々にとって身近なものにしていくことだった。クボタは長年の研究と改良を重ねた浄化処理技術によって、安全で「おいしい水」を安定供給することに取り組み続けている。