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ラグビー日本代表ピーター"ラピース"ラブスカフニ選手(クボタスピアーズ所属)に聞く信じるものを胸に、「壁」を乗り越える。ダイバーシティの組織で活躍するヒントとは。

2019 . 09 . 19 / Thu

信じるものを胸に、「壁」を乗り越える。ダイバーシティの組織で活躍するヒントとは。

文・写真:クボタプレス編集部

クボタのラグビーチーム「クボタスピアーズ」に所属するピーター・ラブスカフニ選手(通称「ラピース」)が、日本代表の一人として、日本で開かれる最高峰の世界大会に出場します。

「41人で、これまで支え合ってやってきました。選手同士というよりも友達、ブラザーのような感覚でいたので…。心の中では、41人、そして日本の代表として戦っていきます」と、代表メンバー31人を決める最終合宿までを共に過ごしたメンバー、そして大会出場を目指した多くの選手への思いを語り、チームマンとしての矜持をのぞかせました。

南アフリカで育ち、クボタスピアーズから日本代表に

彼の不屈のプレーを支えるのは、「試練の向こう側に新たな成長が待っている」という信念にあるようだ。

ラピースが付ける背番号は7番。主にオープンサイドフランカーとして、ラグビーの中でも、体をぶつける回数や質を求められるポジション。倒れても、倒れてもすぐ起き上がり、迫りくるランナーにタックルを浴びせる。相手の攻めをその場でせき止め、折を見ては敵の持つボールへ絡みつく…。「誰もが苦しい時間帯でも、ラピースの献身的なプレーや、声掛けでチームが鼓舞される」と、チームメイトの多くが、試合や厳しい練習を通して、ラピースに感じる「信頼とリーダーシップ」の源泉は、彼のキャリアと人生観にあるようです。

「物事は、必ずしも予定通りに運ばないですね」高校卒業後に憧れのチームに誘われるものの、結局正規チームとの契約はかなわず、大学で学びながらラグビーを続けることに。「不思議なことに、ラグビーよりも勉強に注力するとプロ選手へのドアが開き始めたのです」

「人生はさまざまなドアが開かれ、その経験を通して個性や意思決定の判断軸が培われます。そう考えると、大学での勉強を含め、これまで経験してきたこと全てが、今につながる、必要なドアだったのだと思います」

ダイバーシティを体現する多国籍集団のラグビー日本代表

海外からの労働者や観光客の増加、また働き方に対するさまざまな考えなど、日本では「ダイバーシティ(多様性)」というフレーズが広く用いられるようになりました。そんな中でラグビー日本代表は、世の潮流を先取りするように多国籍集団の理想的なあり方、そして体格や特長の異なるさまざまな個性を束ねた「ひとつのチーム」の構築を追求しています。

日本代表チームに、登録された海外出身選手は最多の15名。ラピースは、「グローカル」という合言葉を大切にして、お互いの文化を認め合って強いチームを目指していると言います。

「日本代表としての誇りを一人一人が持ちながら、出身国の違う選手同士が、お互いをリスペクトしています。大きな問題を生みかねない小さな問題が生まれた段階で、お互いの文化背景を理解し合っていくべきだと話し合っています。チーム内にいろんな文化があることを、不利というより有利な点だと捉えています。お互い背景が違うからこそ、お互いのことを学べます。でも同じチームの一員として、同じゴールに向かっていきます」

異なった背景や文化を持つ人が集まることはマイナスではなく、むしろゴールを共有し、お互いのことをよく知るために、コミュニケーションをする必要が生まれてくることを、プラスと捉える。これは、どの組織においても、強いチームを作りあげる上でとても大事なヒントではないでしょうか。

信じるものを胸に、「壁」を乗り越える

母国で多くのワイナリーがクボタのトラクターを使用していたというラピースはこの夏、日本代表の試合のため岩手県釜石市を訪問。現地の方から「洪水が起きた際、クボタの方々に農業や水インフラの整備を助けてもらった」と聞き、所属するクボタへの愛着がさらに深まったといいます。

「僕自身も壁を超えて進んでいくという考え方に共感しています。さまざまな課題に取り組み、その壁を超えて進むことは、他の人に力を与えることにもつながると考えます。釜石の人からお聞きしたクボタの話や、そのような会社のチームでプレーできることに誇りを感じます」

ラピースがラグビーで磨き上げてきた視点や信念は、ラグビープレーヤーのみならず、多くの人の指針となり得るのではないでしょうか?

頭の中に聖書の一節を想起し、ラピースは言います。

「人生で出くわす難しいこと、壁を乗り越えて、その向こう側の地点へ行けたら、より成長した自分になれる。そう、教えられました」

信じるものを胸に、さらなる「壁」を乗り越えようとする、ピーター・ラブスカフニ。そして日本代表の一人一人に声援を送る日々が続きそうです。

ピーター・ラブスカフニ

1989年1月11日生まれ。南アフリカ共和国・ブルームフォンテーン出身。7歳からラグビーを始め、フリーステート大学卒業後、2012年からプロラグビー選手に。2016年に来日し、クボタスピアーズへ入団。2019年には日本代表に選出。愛称は「ラピース」。189センチ、105キロ。日本代表デビュー戦では、ゲーム主将として出場。タックルしてはすぐに起き上がり、ひたむきに走り続けて、格上のフィジー撃破に貢献。「素晴らしい機会を与えられて、神様に感謝したい。名誉な1日になった」と語る敬虔なクリスチャンである。

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