Kubota People

クボタピープル

※掲載内容は取材当時のものです。

常にチャレンジし続ける。
それが新たな地平を切り拓く。

GLOBAL INDEX December 2016
中尾 豪士
Goshi Nakao
素形材営業部
2012年入社

製鉄所内の熱処理設備へグローバルに製品を供給

大学時代、1 ヶ月間、アフリカ・ガーナの農業実習を経験したことが、その後の人生を決定付けました。私が訪れた農村は貧困の中にあり、そこからの脱出のためには農業の振興が不可欠と感じたのです。そしてそのためには、農業の機械化が必要と考え、就職に際しては当初から農業機械のリーディングカンパニーであるクボタを志望しました。ガーナに限らず、世界の各地で農業の機械化による食料増産が求められており、そこに携わることで社会に貢献したいと考えていました。ただ、就職後は農業機械部門ではなく、鉄鋼・機械を扱う部署に配属。当初は戸惑いもありましたが、今では農業とは異なる切り口で社会貢献を実感できる仕事と感じています。
 現在、私が担当している製品は、製鉄所内の熱処理設備で使用されるもので、鋼板を搬送するロールであるハースロールや、加熱炉内で加熱鋼材を支持するスキッドボタンなどを扱っています。これらの製品は、高温・高強度で耐酸化性等が求められます。担当は国内数社の他に、インド、台湾、韓国、北欧、ロシアとグローバルに活動しています。

インド・Tata Steel社での打合せ後のワンカット

インドで獲得したプラント案件、自分で考え自分で動くやりがい

最近、インドのプラントメーカーとの仕事は強く印象に残っています。インドはこれまで先輩方が開拓してきた市場ですが、私がアプローチしたお客様は過去に実績がないプラントメーカーで、ベトナムに新規プラントを建設するという案件でした。最初に驚いたのは膨大な仕様書の数であり、さらにクボタでは対応できない仕様が多々ありました。そこで私は技術部門の協力を仰ぎ、“クボタ仕様”に変更することを提案。先方は、当初はその提案を拒否していましたが、クボタだから可能となる高品質性を訴求、私たちの考えに賛同いただき最終的に受注に至ったのです。大切なのは相手が何を考えているのか、相手の立場になって考えること。そしてスピード感を持って対応することです。成し遂げた達成感は大きなものがありました。
この案件に限らず、私たちは自分で考え自分で動き、成果を出すことが求められます。インドをはじめとした海外のお客様対応も、もちろん周囲のサポートはありますが、基本的に私一人に任されます。文字通り、若手にチャレンジさせてくれる環境があり、責任は重いものの、それに比例してやりがいも大きなものがあります。今、新たな開拓先として取り組んでいるのが北欧とロシア。これも、調査、準備から具体的なアプローチ、製品提案、プレゼンテーション、仕様調整、価格交渉まで担当しています。日本を発つときは常に不安があるのですが、現地で、自分が想定した成果を得られたときに手にする達成感は何物にも代え難いものがあります。鉄というのはあらゆる産業に必要とされるものであり、社会の基盤を支えているといっても過言ではありません。農業機械も鉄なしでは成り立ちません。その意味で、製鉄を支える今の仕事の中に、確かな社会貢献の手応えを実感しています。