Kubota People

クボタピープル

※掲載内容は取材当時のものです。

世界の市場で感じる、
社会貢献の手応えが
前進する力。

GLOBAL INDEX December 2016
佐藤 卓巳
Takumi Sato
反応管事業統括部
2013年入社

エチレン生成に不可欠な反応管を世界に供給

大学院で「クウェートの立憲運動」について研究しました。その一環として中東エリアを訪問する中で改めて感じたのが、生命の尊さです。中東エリアは、過去1 世紀近くにわたり政治的に不安定的な状況にあり、多くの人が命を落としてきました。そうした現実から、就職に際しては生命を支える仕事に就きたいと考えたのです。クボタが掲げる“食料・水・環境”というテーマは、まさに生命を支えることにつながると感じ、入社を決意しました。
現在、営業担当として私が扱っている製品は、“反応管”と呼ばれる石油化学プラントで使用される産業機器です。私たちの身の周りに溢れるプラスチック、ビニール、塩ビ、化学繊維などは、エチレンという化学物質から生成されます。このエチレン生成に必要不可欠な機器が反応管です。さらに反応管を製造できる主要メーカーは世界で5 社のみであり、クボタの反応管は世界シェアのおよそ半分を占めています。したがってクボタの反応管が存在しないと、日常生活の快適性や利便性、各種産業の稼働に大きな影響を及ぼすことになります。言い換えれば、身の周りのプラスチック製品等の約半数がクボタの反応管によって生成されたといっても過言ではなく、極めて社会貢献度の高い製品と言えると思います。

インド・ムンバイのヒンドゥー寺院にて。赤い印はティカといい祝福や歓迎を表す

インドでトップシェア、自分でストーリーを描く

私のお客様は、エチレンを製造する石油化学企業。現在、国内は東日本エリアを、海外は台湾、豪州、インドを担当しています。反応管の営業の特徴は、担う業務範囲が広いこと。市場調査、製品PR、スペックイン、見積作成、価格交渉、仕様決定、製作指示、納期・入金管理など、すべて営業担当が担います。責任は重くプレッシャーもありますが、それが営業担当としての成長、やりがいにつながっていると思います。最近の取り組みでは、1年半の時間を費やした、インドのプラント更新プロジェクトがあります。現地に3 度飛び、交渉を進めました。ポイントとなったのは、そもそも採算に見合うかどうか、先方が要望する仕様に応えられるか、そして、競合他社の動向を把握することでした。交渉を進めながら、ぎりぎりの採算ラインを確保しつつ価格を検討・設定していく濃密な時間だったと感じています。価格に加え、スペックイン活動も精力的に進めました。クボタ製品を導入することによるアドバンテージを訴求し、受注に至りました。
重要なのは、一連のフローを緻密に検討し、「自分でストーリーを描く」こと。すなわち、自分の頭で考え判断していくことです。この判断の精度を磨いていくことが目下の目標です。現在、インド(および台湾)でクボタの反応管はトップシェアの位置にあります。その維持と一層の拡大のためには、精度の高い判断が求められることになると考えます。さらに将来的に、私が挑戦してみたい市場は中東・アフリカ。大学で学んだアラビア語と現地に関する知識を活かし、反応管にとどまらず、クボタの各種製品の拡販に寄与していきたいと考えています。