生きるため、食べるため、
そして幸せに暮らすため
人々は古来より知恵と技術で
「食と農業」を進化させてきました。
しかし、世界人口が増加する一方で
農業を営む人は減少。
気候変動や生態系のダメージなど、
食と農業の未来に多くの課題を抱える
時代に我々は生きています。
育てる野菜や農業スタイル、
アグリテックを選びながら
農業経営者として仲間とつながり協力し、
地球にやさしいプラネタリーコンシャスな農業を目指す体験です。
2025大阪関西万博
未来の都市パビリオン内の
クボタプレイスで提供された
このシミュレーションゲームは、
来場者9人がプレイヤーとして参加し、
会場空間全体を使った演出とあわせて、
プレイする人も見る人も一緒に楽しめる
体験として提供されました。
穀物、野菜、果物の中で
何を育てるか。
たくさんの作物をつくるのか、
味にこだわるのか、それとも
地球にやさしい農業を行うのか。
自分のめざす農業に
適切なテクノロジーはなにか。
そして作った作物をどんな風に
食べてもらいたいか。
農業は選択の連続です。
この体験では、ストーリーに合わせて自分がどんな農業を目指すのかを考え、
選択してもらいました。
一緒にプレイしている人たちの選択を見比べて、それぞれの多様な考え方があることを感じながら、
みんなで協力して街の人たちに作物を
届けながらストーリーは
展開していきます。
これからの農業で重要な選択の一つが
アグリテック。
農業を意味する「アグリ」と
技術を意味する「テクノロジー」が
掛け合わされた言葉で、
ロボットやセンサー、AIなど様々な
最新の技術を導入することで、
農作業の負担が減ったり
誰でもおいしい作物を作ることが
できるようになります。
この体験では、Society5.0の農業で
実現しているかもしれない
未来のテクノロジーの中から、
自分の好きなテクノロジーを選んで
自分の畑を進化させていくことが
できました。
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群制御システム
農場や作業規模に合わせて、複数の農業ロボットをグループで動かす「コントロール」システム。連続した作業から複雑な作業まで効率よく実現。
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育みロボット(種苗選定ロボット/受粉ロボット)
自分の農地の気候風土に合わせて、育てやすい苗を適切に選定したり、作物の受粉を自動で行う「生育」ロボット。
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ウォーターコントローラー(生育水管理システム)
農場における水の使用量を天候や生育状況に応じて自動でコントロールする「水管理」システム。
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採れどきスキャナー(適正収穫判断システム)
作物の獲れ時を自動的に分析する「見きわめ」システム。
作物が食べる人に届くまでの時間も計算して、一番おいしく食べることのできる収穫時期を判断する。 -
土壌発電システム
土の中の微生物の力で発電を行う、「発電」システム。
発電したエネルギーは農業ロボットなど機械や設備への充電や、周辺地域でも活用できる。 -
ファームウォッチャー(分析監視ドローン)
農場を高精度に空から撮影し、生育状況を見守る「分析・監視」ドローン。撮影した画像をもとに、農場全体の生育、生産アドバイスを行う。
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土壌活性システム
農場の土の状態を分析・データ化し、作物が生育しやすい土づくりを提案する「アドバイス」システム。
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品種改良インキュベーター(品種改良システム)
様々な土地で予測される気候変動や病虫害に備え、丈夫で安全な品種にする「品種改良」システム。
より大きくなる
地球規模の課題
ストーリーでは、
プレイヤーたちが作物を作り・届けることで人々が満足していきます。
一方で人々のくらしが
豊かになるにつれ、
温室効果ガスの排出量が増えていき、
気候変動や生態系のダメージといった
深刻な地球規模の課題が
発生していきます。
これからも世界中の人に、
幸せなご飯を届けるためには
どうすればいいのでしょうか?
これらの問題を解決するのに
重要なのは、
地球と人にやさしい
プラネタリーコンシャスな農業。
「しあわせなご飯」と
「地球にやさしい農業」の両立です。
とても難しい問題ですが、
これからの農業はどんな人に
食べてほしいかを考えたり、
環境にやさしいアグリテックを
導入するなど、
バランスを取りながら経営していく
ことが求められるのです。
食べ物が余る一方で
足りていない人がいる
「食の不均衡」、
味はおいしいのに
色や形が整っていないために
捨てられたり、
お店や家庭で余ってしまって
捨てられる「フードロス」、
近くに食材があるのに、
たくさんのエネルギーをかけて
遠くから食べ物を運んでくる
「フードマイレージ」
これらは農業経営者だけでは
解決できない社会全体で
取り組む必要がある課題です。
難しい課題を抱える一方で、
農業をきっかけに地域が活性化したり、
人も街も暮らしも変化したり、
食と農業には様々な可能性があります。
この可能性を広げるために、
重要なのが「仲間」です。
ゲームでは全部で6人の仲間が登場し、
プレイヤーを後押ししてくれる
仲間を選びます。
地産地消を提唱するシェフや
フードコーディネーター、
地球にやさしく作物を届ける
物流オペレーター、
次の農業の形を研究する
アースプロフェッサーなど、
仲間の力を借りることで、
食と農業の可能性は
無限大に広がるのです。
「地球にやさしく、世界中全ての人に、
幸せなご飯を届けたい」
それは「幸せなごはんと未来の
いのちのためにできることを、
仲間と協力して行動する」ことです。
食と農業の無限の可能性は、
私たちひとりひとりの行動に
かかっているのです。
このシミュレーションゲームを体験した
一人ひとりが、
PLANET KEEPERSとして、これからの食と農業の未来を
作ってくれることを願っています。