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クボタ2022新春オンラインイベント
GROUNDBREAKERS 日本農業の未来へ
クボタ社長が語るGROUNDBREAKERSへの想いと大規模農家向け自動運転農機アグリロボトラクタの進化

2022 . 02 . 10 / Thu

新春オンラインイベントGROUNDBREAKERSに出演される方々

文:クボタプレス編集部

クボタは、コロナ禍でも農家の皆様とつながり、課題解決のお役に立ちたいと、2021年に引き続き、1月20日に新春オンラインイベント「GROUNDBREAKERS(グラウンドブレイカーズ)」を開催しました。より進化したイベントの様子をこれから毎週、全11回にわたって紹介します。

第1回は、株式会社クボタの北尾社長が「GROUNDBREAKERS」とは何か、このイベントの意図、そこに集まってくださる皆様の声を生かし、クボタが今後何をめざしていくのかを語りました。後半は新商品の中から、自動運転農機のアグリロボトラクタ「MR1000AH【有人仕様】」を紹介します。

お客様の「声」こそがクボタの開発の原動力に

「GROUNDBREAKERS」とは、先駆者を意味する言葉です。クボタでは、多くの課題に直面する日本の農業において、自身のビジョンを描き、創意工夫を重ねながら農業と向き合う人々のことを「GROUNDBREAKERS」と呼んでいます。

今回のイベントの狙いは、先駆者である農家の皆様と農業の未来について考え、情報を共有することでイノベーションを生み出すこと。イベントの冒頭に登場した北尾さんによれば、昨年は予想を超える多くの方にご参加いただき、「とても充実した内容で、今後の営農へのモチベーションが上がった」「新規就農を検討しており、とても勇気づけられた」など熱いコメントが寄せられ、コロナ禍であっても前に進む大切さを学んだそうです。

オープニングの挨拶でGROUNDBREAKERSの声が大切だと語る北尾社長

北尾裕一(きたお ゆういち)さん。1979年に久保田鉄工(現・クボタ)入社し、入社3年目に、お客様に寄り添い、声に耳を傾けることが大切だと実感。その後大型トラクタの開発に携わり、トラクタ事業部長、海外子会社の社長、機械事業本部長、副社長を経て2020年1月、代表取締役社長に就任。

「コロナ禍という大きな逆境の中にあっても前に進み、日本農業を支えるGROUNDBREAKERSの皆様の挑戦を支える存在として選ばれる企業であり続けられるよう、今後もお客さまの課題に真摯に向き合い、ソリューションを開発・提供していきたいと改めて強く思いました」(北尾さん)

クボタでは創業以来、お客様の声に耳を傾け、食料・水・環境を支える製品を世に送り出してきました。これからもさまざまな課題に直面する人々の声に応え、それを原動力に、皆様の期待以上のものを生み出していきたいと考えており、このGROUNDBREAKERSもそうした貴重な「声」を聞くための大切な場です。北尾さんの言葉には、どんな困難にも負けず「壁がある、だから行く」の精神で取り組んでいく決意が感じられました。

「アグリプラットフォーム」の実現を通じて社会に貢献したい

クボタは長期ビジョンで掲げた「豊かな社会と自然の循環にコミットする “命を支えるプラットフォーマー”」をめざしています。その取り組みのひとつとして、食料の生産現場からお客様にお届けする間をITでつなぎ、アグリプラットフォームを構築中です。必要なものを必要なときに必要なだけ、お客さまにお届けすることができ、フードロスが減らせるシステムです。それによって、地球環境問題やカーボンニュートラルの社会にも貢献していきたいと北尾さんは力強く語りました。

長期ビジョンで掲げた「豊かな社会と自然の循環にコミットする “命を支えるプラットフォーマー”」をめざすために、アグリプラットフォームを構築し、それによって、地球環境問題やカーボンニュートラルの社会にも貢献していきたいと力強く語る北尾社長。

高いセンシング機能を持つ農業機械と、データを活用した営農管理システムの提供により、農作物の収量と品質の向上、農業の生産性向上を図ります。農業領域だけでなく、異業種とも連携するオープンなアグリプラットフォームを構築し、フードバリューチェーン全体にソリューションを提供することでフードロス削減にも貢献します。

最後に、「このイベントにご参加いただいた農家の皆様とともに、日本の食の未来を支えていきたい」としめくくったうえで、北尾さん自身が画面に向かって「それ、クボタがやる」というCMでおなじみの台詞を発し、それを合図にいよいよイベントの本編がスタートしました。

アグリロボトラクタ「MR1000AH【有人仕様】」はどこが進化したのか

食を支える農家の皆様は、法人経営や家族・個人経営など、さまざまな形態で営農されています。また地域や規模によって農作物や作業体系も多様であり、課題も異なります。クボタではそれらの課題解決に貢献できる新商品を取り揃えました。ここでは、クボタスマート農業関連商品の中から、自動運転農機のアグリロボトラクタ「MR1000AH【有人仕様】*1」を紹介します。

  1. *1.アグリロボトラクタには、使用者の監視下において無人での自動運転ができる無人仕様と、トラクタに乗車して周囲の安全を確認しながら自動運転ができる有人仕様があります。
畑を自動で走行し耕うんするパワクロ仕様のアグリロボトラクタのMR1000AH。

進化した自動運転機能を備えたアグリロボトラクタ「MR1000AH」。後輪はホイールだけでなくパワクロ仕様もラインアップ。

2022年1月現在でトラクタ、田植機、コンバインの三つの機種の自動運転農機が揃うのはクボタだけ。自動運転機能を搭載した「アグリロボ」は、農作業に最適な自動運転ルートを決めるために、人が乗り込んで手動運転でほ場の外周を走って「ほ場マップ」を作成。そのあとは作業に必要な情報を入力するだけで、ほ場形状に合わせた最も効果的な作業ルートを自動で生成します。

新商品「MR1000AH【有人仕様】」が先行機の「MR1000A」から進化したポイントは、①適応インプルメント*2の拡充、②オートステア機能の向上、③KVTの搭載、の三つ。その中でも適応インプルメントの拡充は、多くの農家の皆様のお役に立てる、最も大きなポイントです。

  1. *2.インプルメントとはトラクタの後部に取り付ける作業機械で、付け替え可能。耕うん、肥料・農薬・種の散布、草刈り、収穫した物を運搬するなど、さまざまな作業が可能となります。

先行機のMR1000Aは、耕うん、代かき、粗耕起、肥料散布、播種の5つの作業を自動で行いますが、安全性を考慮し、適応インプルメントは7つの型式に限定されていました。実演会で「うちのインプルメントも適応していれば」と残念がるお客様の声をきっかけに開発を進め、さらにインプルメントの作業幅を任意に設定できるように改良したことで、さまざまな型式のインプルメントでの自動運転が可能となりました(対応インプルメントは順次拡大予定)。

適応インプルメントと作業幅
作業 作業幅
耕うん 220~340cm [5cm毎で変更可]
代かき 345~665cm [5cm毎で変更可]
粗耕起 220~450cm [5cm毎で変更可]
肥料散布 5~12m [0.5m毎で変更可]
播種 220~340cm [5cm毎で変更可]

自動運転で使用可能な作業機を大幅に増加。上記範囲内で自動運転が可能。

ターミナルモニタに映し出されたインプルメントの作業幅、作業位置を入力する画面。
ターミナルモニタに映し出されたインプルメントの作業幅、作業位置を入力する画面。

ターミナルモニタの画面にインプルメントの全幅と作業幅、全長と作業位置を入力し、設定を行う。

二つ目の進化は「直進オートステア」に「後進オートステア」と「ルートオートステア」機能を追加。「ルートオートステア」は、ほ場中央部の自動運転作業後、残ったほ場外周作業用の基準線を自動生成し、そのまま自動操舵作業が行える機能です。手動運転が必要となる作業を軽減することができます。

三つ目の進化はKVTを搭載したこと。KVTとはクボタ・バリアブル・トランスミッションの略で、無段変速仕様を指し、車のオートマチックのような運転のしやすさです。きめ細かな車速の制御が可能になり、自動運転作業、オートステア作業のどちらにおいても適応車速が広がりました。また車速選択の幅が広がったことでオペレータの好みの車速での作業が可能となりました。

自動運転農機(トラクタ、田植機、コンバイン)は熟練農家の代わりに作業を行う機械です。クボタでは、熟練農家の方以上の運転操作の精度が必要だと常に意識して商品開発を行っています。詳細はアーカイブ動画をご覧ください。

今回のGROUNDBREAKERSは11のプログラムが用意され、先進的な農業経営の事例や地域コミュニティの創出、農作業安全への取り組みなど、さまざまな工夫やノウハウを紹介しています。今後クボタプレスでも残りのプログラムを順次ご案内します。

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