Kubota People

クボタピープル

※掲載内容は取材当時のものです。

多くのことを学んだ
5年半のドイツ駐在。

GLOBAL INDEX December 2019
太田 健吾
Kengo Ota
営業第二グループ(欧州) 2009年入社

留学で芽生えたドイツへの憧れ

大学でドイツ語およびドイツ文学を専攻しました。当時の1年間のドイツ留学が、その後の進路を決定づけたと思います。ヨーロッパ各国の留学生と交流する中で、ドイツという地に親しみと愛着を感じ、将来はドイツで働きたいと考えるようになりました。就活でも、海外駐在のチャンスのあるメーカーに絞り、数ある企業の中から、当時のクボタの採用スローガン、「100年先を引き継ぐ仕事」に強く惹かれて入社を決めました。

入社後、業務グループを経て、欧州市場を管轄する営業第二グループに異動。ドイツ、フランス、イギリス、イタリアをメイン市場に、西はポルトガル、スペインから、東は東欧諸国、トルコ、イスラエルまでをフォローします。基本的に欧州での販売は、海外販売会社が主体的に販売施策を立案し、日々拡販活動を行っています。日本の営業部は、製品コンセプトの企画立案への参画や、広告宣伝の素材作成、販社向け製品トレーニングなどを通し、海外販社の現地における活動をサポートする立場。私は入社当初からドイツ駐在の希望を出し続け、入社5年目に、晴れてドイツの製造・販売会社であるクボタバウマシーネンGmbHへの駐在が決まりました。

ホイールローダを欧州市場へ
投入クレーム危機をチーム一丸で乗り越える

2014年、クボタはホイールローダの新製品を欧州市場に導入しました。積み込み・運搬作業に使われる建設機械で、実に20年ぶりのフルモデルチェンジでした。駐在する前、私は日本でこの機種の製品開発に携わっていました。市場のニーズを把握して技術部門にフィードバックし、製品コンセプトを形作る重要な役割です。このホイールローダの場合、コンセプトは運搬可能重量の大幅向上とオペレーターの快適性向上でした。2トンもの重量を積み上げ・運搬できる性能を持ち、同時にキャビンを広くし快適な居住性を実現することです。欧州市場の中で最も需要が大きいドイツ市場へ、新製品は大きな期待を背負って投入されたのです。

私がドイツ駐在となったのはちょうどこの頃で、赴任後は販売推進の実務を担当することになりました。しかし発売当初は、製品仕様と市場要求のズレが明らかになり、ご購入いただいたお客様からクレームが多発する事態となってしまいました。これまでミニバックホーを通して欧州で築いてきたクボタブランドの毀損も危ぶまれる事態です。一刻も早いリカバリーが求められました。さっそく関係セクションが一丸となって集中的な改善活動が進められました。サービス部門がお客様へのフォローを通して関係性をつなぎ留め、営業部門が現地の情報を社内展開。技術部門・製造部門・調達部門が製品改善に迅速に取り組んだことで、課題の早期解決を実現することができました。クボタの一連の取り組みはお客様からも高く評価してもらい、部門を超えたチームワークがマイナスをプラスに変えることができた印象的な出来事でした。

ドイツ駐在時の太田。多くの先輩や仲間たちから助けられた(正面後列一番左が太田)

新しい経験を自身の成長につなげたい

5年半のドイツ駐在を終えて帰国しましたが、異なる環境に身を置くことで多くのことを学びました。先んじて準備することの大切さは、その一つです。欧州はさまざまな国籍の人間が集まる土地で、合意形成には時間がかかることもあります。スピード感を損なわず物事を進めるために、その分、徹底した準備が不可欠でした。また現場の近くで仕事をする分、さまざまな相手の立場を想像することの重要性も痛感しました。駐在中、私のカウンターパートは、ドイツ人の営業担当者たちでした。ただ彼らの後ろには、代理店や製品を実際に使うお客様もいます。さまざまな立場の方がいることを想像して行動することが、やがてクボタ製品への信頼につながっていくのです。

現在は再び、国内から欧州市場をフォローする立場。クボタの建機事業部は、やりたいと思うことは何でもできる風土があります。主体性を持って取り組めば、チャレンジできる文化です。ドイツ駐在がそうであったように、これからも新しい経験から知見を積み上げ、成長につなげていきたいです。