Kubota People

クボタピープル

※掲載内容は取材当時のものです。

ICTとメカのコラボレーションを推進できる
人材に成長したい。

GLOBAL INDEX December 2017
冨田 さくら
Sakura Tomita
計測制御技術センター(人事部付トレーニー派遣)
ワーヘニンゲン大学・リサーチセンター(オランダ)
客員研究員
2013年入社

大学院で培ったセンサ技術を農業の課題解決に活かしたい

大学院では農業研究科でセンサ技術を専攻しました。就職に際しては、センサ技術を活用することで、仕事の現場の課題解決に寄与する分野を考えました。その一つとして着目したのが精密農業であり、農業機械です。精密農業に関しては研究室の教授から話を聞く中で、その将来に大きな可能性を感じていました。精密農業の実現が、農業の現場の課題を解決し、日本のみならず世界の農業の持続可能性に貢献することに魅力を感じ、精密農業の研究者という進路を選択しました。その場がクボタであったのは、クボタが標榜する“現場主義”の理念に共感したこと、またグローバルに事業を展開しており、世界の農業問題の解決に資する取り組みができると思ったからです。
 入社後は希望通り、精密農業(以下、PF。クボタではスマート農業・SFと呼称)を研究するセクションに配属され、当時クボタが稲作市場で展開しようとしていたPFの研究チームにアサインされました。それが営農・サービス支援システム「Kubota SmartAgri System(KSAS)」の開発であり、その多岐にわたる取り組みの中で私は、現在実用化されている「食味収量コンバイン」の自動走行の基礎研究を担当し、新たにソフトウェアの知見を蓄積するなど、技術の幅を広げることができた取り組みでした。

留学先のワーヘニンゲン大学・リサーチセンターで指導教官とともに

オランダで取り組む欧州精密農業の調査研究

2015年春に欧米PF に関する社内横断的なプロジェクトが立ち上がり、そのメンバーとして参画しました。そして同年秋に、現在所属する、オランダ・ワーヘニンゲン大学・リサーチセンターへ、2年間の予定でトレーニーとして派遣されたのです。その主な目的は欧州のPFについて幅広く研究することです。
 一方で、欧米PFプロジェクトをフォローする役割も担っており、欧州のPF市場の動向などの調査研究も行っています。様々なカンファレンスへの出席のほか、積極的に多方面での活動を進めています。ICTの大型展示会視察でICTに関する知識・情報を吸収し、欧州の農機工場見学では直に農機に触れ、フランス農家のサーベイでは農業の現場を知ることの大切さを実感しました。また、オランダと日本の違いを最も痛感するのは、会議やミーティングの場。ここでは発言しないと価値がないと見なされてしまいます。その環境のおかげで、日本にいるときに比べ、自分の考えや意見を積極的に発信するようになりました。帰国後は、メカとICTの両方を熟知している技術者として、両者の間に立って周囲を巻き込み、コラボレーションを推進できる人材に成長していきたいと考えています。