GLOBAL INDEX
December 2016

FEATURE
"Republic of India"

06

クボタeプロジェクト
「命の源泉、井戸を掘る」
in India

クボタの名前が掲げられた井戸。安定した水が供給できる井戸は、まさに「生命の泉」だ(カルナータカ州ビジャヤプーラ県)

国際協力NGOを積極的に支援
安全な水を届けるために

公益社団法人アジア協会
アジア友の会
海外プロジェクト担当
横山 浩平氏

インドに安全な水を――クボタは企業市民としての責任を果たすため、様々な社会貢献活動を積極的に推進しているが、その一つがインドにおける井戸および給水設備設置の支援活動である。国土が広大なインドは、地域による開発格差に加え、降雨量などの気候や地質など自然条件の相違から、飲用に適する安全な水を得られないエリア(農村)が少なくない。1893年に国内で初めて水道用の鉄管の製造を手掛けて以来、1世紀以上にわたって水関連事業を展開してきたクボタにとって、海外の水問題の解決は社会的使命といえるものだ。クボタが着目したのが、公益社団法人アジア協会アジア友の会(以下、JAFS)の「水プロジェクト」である。

JAFSは、安全な水へのアクセスが欠乏しているアジアの農村に、安全な水(井戸、給水設備)を贈り、人々の生活を改善すると同時に、農村における課題(衛生、教育、生活、環境など)に取り組み、自助自立した村づくりを行っていく国際協力NGOとして、1979年10月に設立された団体である。

「安全な水を贈ることは、衛生・健康面の改善のみならず、女性、子どもの水汲みという重労働からの解放をもたらします。それによって、教育の普及(教育を受ける機会の提供)、女性の自立(職業訓練等による経済的自立)、さらには環境の持続可能性まで視野に入れた取り組みを進めています。そのサイクルによって、究極的には貧困の撲滅を目指しています。インドでは、すでに457基の井戸を設置しました」(JAFS・海外プロジェクト担当、横山浩平氏) クボタは2010年から支援をスタートさせ、すでに6基の井戸設置を助成しており、今後も様々なアプローチで支援を拡大していく考えである。

CSRからCSVへグローバルな
進化を目指して

CSR企画部 サステナビリティグループ長
服部 竜一

社会貢献活動は、インドにおける井戸設置に留まらない。クボタは、「食料・水・環境」分野における社会貢献活動への取り組みとして、2008年度に「クボタeプロジェクト」をスタートさせた。「e」はearth(地球にやさしい)、ecology(環境保全)、education(教育・農育・水育)、eat(安全で安心な食料)、eau(安全で美しい水)、emotion(生きる感動)の6つの視点から成るもので、具体的には「耕作放棄地再生支援」「クボタ元氣農業体験教室」、地域の環境美化、清掃活動などを全国で実施する従業員参加型のボランティア「クボタeデー」の開催など、多彩な活動を推進している。

「当社は、事業そのものが社会貢献という認識を多くの社員が持っています。農業機械をはじめ、事業に懸命に打ち込むことが社会貢献に直結しています。それをもう一度再確認すると同時に、CSR(Corporate Social Responsibility)の一環として積み重ねてきた社会貢献活動を、さらに戦略的に実践するCSV(Creating Shared Value=共同価値の創造:社会価値と企業価値の同時実現)へとレベルアップさせ、よりグローバルに展開していきたいと考えています」(CSR企画部 サステナビリティグループ長 服部竜一)

地球環境を守りながら、世界の人々の豊かな暮らしを支え、持続可能な社会づくりに寄与する、クボタの社会貢献活動は日本から世界へ、着実に進化しつつある。