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クボタ、AI技術を活用し福岡市の水道管路の老朽度を診断、将来の漏水事故率を予測 福岡市水道局から水道管路の老朽度診断及び長期評価に係る業務を受注

2023年12月27日
株式会社クボタ

株式会社クボタ(本社:大阪市浪速区、代表取締役社長:北尾 裕一、以下「当社」)は、福岡市水道局から水道管路の老朽度診断及び長期評価に係る業務を受注しました。管路メーカーである当社が長年蓄積してきた水道管や土壌などに関する様々なデータや知見とAI技術を活用し、現在の老朽度の状況の診断と、将来の漏水事故率のシミュレーションを行います。
当社は効率的かつ経済的な管路更新計画の立案のサポートをはじめ、水道事業体が抱えるさまざまな課題に対するソリューションを提供し、将来にわたる安全・安心な水インフラの構築に貢献してまいります。

1.背景・経緯

  • 日本国内では、高度経済成長期に普及が進んだ水道管路の老朽化が進行しており、法定耐用年数の40年を超えた管路の割合が約2割に達しています。このまま老朽化が進行すると、水道管の破損による漏水や断水など、ライフラインに影響が生じるリスクが高まるため、早急に管路の更新を進める必要があります。
  • 管路の更新計画を立てるにあたり、多くの水道事業体では、水道管の老朽度を診断するため道路を掘削して、水道管の表面の状態を調べるサンプル調査を行っています。調査をもとに管路ごとの老朽度等を診断・評価し、更新工事の優先順位等を決定しています。しかし、管路の現地調査を行うには多くの費用と労力がかかるため、現地調査をせずに高い精度で管路の状態を評価する手法が求められています。
  • 福岡市水道局では、世界で最も低いとされる漏水率を維持することをめざし、計画的な漏水調査や管路更新を行っています。今後も効率的な管路更新を行うために、市内の全配水管における老朽度予測のさらなる精度向上をめざしていますが、道路を掘削する調査データの蓄積には、相当の労力と時間を要するなどの課題を抱えています。
  • そこで、2022年度に福岡市水道局は民間企業との共同研究「AIを活用した水道管路劣化予測」を実施しました。その結果、当社のAI技術を活用した「AI老朽度評価方法」が多くの基礎データに基づき、道路を掘削することなく管路の老朽度予測ができると確認されたことから、このたび、当社は福岡市内の全配水管約4,000㎞を対象とした、水道管路の老朽度診断及び長期評価に係る業務を受注しました。

2.本案件の概要

件名 水道管路の老朽度診断及び長期評価に係る業務委託
対象区域 福岡県福岡市内全域
履行期間 2023年12月1日から2024年2月29日
業務概要
  • 管路の老朽度評価 (市内の全配水管約4,000㎞を対象とした、管路ごとの将来における漏水事故率(件/年/km)及び更新優先順位の算出)
  • 管路の長期評価
  • 管路ごとの実耐用年数の設定

3.当社の「AI老朽度評価方法」の特長

  1. 東京大学との共同研究により、当社が長年蓄積してきた全国約6,000件の水道管の腐食調査データや埋設環境データをもとにした、AI技術を活用した新しい「AI老朽度評価方法」。従来の老朽度予測と比べて精度の大幅な向上が図れる。(老朽度の上位20%を更新していった場合、従来手法と比較して漏水を半減させる効果を確認)
  2. 管路ごとの老朽度を件数ベースで算出でき、年間の予測漏水事故件数や、現在および将来の漏水危険度マップの作成、管路ごとの更新優先順位付けが可能。
  3. 全国版の老朽度評価モデルだけでなく、対象の水道事業体が保有するデータを活用することで、より予測精度が高い対象事業体独自モデルの作成が可能。
  4. ダクタイル鉄管(鋳鉄管含む)だけでなく、鋼管や樹脂管のAIモデルを実用化しており、全管種について、現地調査をせずに高精度で定量的な管路の更新優先度の算出が可能。

4.今後の展望

当社は、「AI老朽度評価方法」のさらなる精度向上に取り組むとともに、より多くの水道事業体への提案を進め、管路更新の加速に貢献していきます。また、現在開発を進めている管路DXの総合プラットフォーム「KSIS PIPEFUL」(ケーシス パイプフル)と「AI老朽度評価方法」を連携させることで、水道管路に関する業務全体の効率化や高度化のソリューション提供に取り組んでまいります。

ご参考

以上

ニュースリリースに記載されている情報は発表時のものであり、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承下さい。

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