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「多槽循環式MBRシステム」が日本下水道事業団の新技術Ⅰ類に選定

2023年6月23日
株式会社クボタ

株式会社クボタ(本社:大阪市浪速区、代表取締役社長:北尾裕一、以下「当社」)と日本下水道事業団(以下「JS」)が共同開発した、MBR*1技術である「多槽循環式MBRシステム」(以下「本技術」)が、この度JSの新技術導入制度において、新技術Ⅰ類*2に選定されましたのでお知らせします。
当社は、上水・下水における様々な製品・技術・サービスを有する水のトータルソリューション企業として総合力を活かし、今後も上下水道事業の抱える課題解決につながる、革新的技術の開発及び実用化に積極的に取り組んでまいります。

  1. *1.MBR(Membrane Bio-reactor:膜分離活性汚泥法):微生物による生物処理と膜による固液分離処理を組み合わせた水処理方法。
  2. *2.新技術Ⅰ類:共同開発等によりJSが開発に関与した技術のうち、開発が完了または実用化のめどが立った技術について、JSの受託建設事業における適用性について審査を行い、選定される。選定後はJS受託建設事業において積極的な導入検討が期待される。

1.本技術の概要

  • 本技術は、下水処理場において家庭汚水を主体とした都市下水を高度処理するシステムで、当社とJSが共同開発した、MBRシステムです。
  • 処理水に含まれる窒素は植物プランクトンなどの栄養になる一方で、多くなりすぎると赤潮などが発生し生態系に悪影響を与えるため、放流先ごとに処理水の放流基準が定められています。
  • 特に、湖や内湾などの閉鎖性水域等の場合は排水基準が厳しく、一般的な処理方式である標準活性汚泥法では窒素が十分に取り除けないため、高度処理が必要です。
  • 一方で、従来の循環式硝化脱窒型MBRを用いて下水処理場の高度処理化を行う場合には、処理場全体を改築する必要があり、改築コストや改築後の電力コストなどに課題がありました。
  • 本技術では、無酸素タンクと好気タンクを4段直列に配置し各段あたりの内部循環比を向上させることで、従来の循環式硝化脱窒型MBRと同等の反応タンクのHRT*3でも、極めて高い窒素除去率(90%程度)を実現しました。
  • 従来の循環式硝化脱窒型MBRと同等の高度処理を行う場合、処理施設の一部のみに本技術を適用し残りの標準活性汚泥法の処理水と混合して放流すれば、処理場全体での窒素の放流水質を達成できるため、必要な改築コストの削減と工期の短縮が図れます。処理場全体を循環式硝化脱窒型MBRに改築する場合と比較し、建設コスト約13%、維持管理コスト約8%、電力コスト約24%の削減が期待できます*4
  1. *3.HRT(Hydraulic Retention Time):水理学的滞留時間
  2. *4.処理水量80,000m3/日の処理場の高度処理化において、50,000m3/日を本技術で改築する場合の試算値
  3. *5.LOOP MBR:当社商標名

2.本技術の概略フロー

ご参考

本件に関するお問い合わせ先

水循環プラント営業部 TEL:03-3245-3337

以上

ニュースリリースに記載されている情報は発表時のものであり、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承下さい。

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