<講評> 山々に抱かれた宇陀の里に広がる早苗田を美しく捉えた作品。整然と植えられた苗が描く規則的な線が画面に心地よいリズムを生み、水面に映る山並みや空の色が初夏の爽やかな空気感を伝えています。また遠景にたなびく霧が風景に奥行きと趣を添え、光と影のコントラストが田園の静けさを際立たせています。日本の原風景とも言える農村の美しさを、丁寧な構図と豊かな諧調で表現した一枚です。