<講評> 荒々しい波飛沫と一面分厚い雲に覆われた空の様子から、厳しい冬の海の感じがとてもよく伝わってきます。波に削られ踏ん張って耐えているかのような岩山を中央に配したことによって、全体に力強さを感じとることができます。曇天の荒れた海面の色や岩肌など、明暗差を弱くした表現によって作品全体が重くならないよう配慮した点が美しさに繋がり、作者の優しさも感じられる作品になりました。