<講評> 奇を衒わずに被写体にレンズを向けて撮った、そのさり気の無さがこの作品の良さです。手前の菜の花をピントを外して黄色のカーテンに見立てることで、作品を鑑賞する視線が、その背後に広がる棚田の菜の花畑と海に自然に向かう効果をもたらしています。撮影被写体とアングルの発見を、その時々の気持ちの赴くままに任せることも、写真撮影の一つの方法であることを再確認させる作品です。