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畳に使う「いぐさ」、コレで刈り取るんです熊本の農家さんを応援!「いぐさハーベスタ」9年ぶりに再生産開始

2017 . 06 . 02 / Fri

熊本の農家さんを応援!「いぐさハーベスタ」9年ぶりに再生産開始

文:クボタプレス編集部

ライフスタイルの洋風化が進み、畳敷きの和室がない家も多くなった昨今。その一方で、日本を訪れる外国人観光客の間では和室が人気上昇中です。いぐさの香りでリラックスできる、日本の伝統文化を感じさせてくれる……など、「Tatami」の魅力が外国人によって“再発見”されつつあるようです。

そんななか、2008年に生産を終えたクボタのいぐさ収穫機『いぐさハーベスタ』が、9年ぶりに新型を再生産することになりました。畳の需要減や安い海外産いぐさの攻勢で国内のいぐさ農家が減り、それにともなって一度は生産終了になった『いぐさハーベスタ』が、なぜいま復活することになったのか? きっかけになったのは、国内のいぐさ生産量の98%*を占める熊本県の生産農家や関係者からの熱い要望の声でした。

青々と茂るいぐさ。熊本では6月中旬〜7月下旬に収穫する

いぐさ王国”である熊本県でのいぐさ栽培の歴史は古く、1505年に八代地方の領主・岩崎主馬守忠久公が栽培を奨励したのが始まりとされます。そんな500年を超える歴史を持つ伝統産業を継承したいという地元の声に、日本の農業の活性化の取り組みを強化しているクボタが応えた形です。

海外産いぐさは国産いぐさに比べ価格が安く、以前に比べて品質も向上しつつありますが、全般的には国産いぐさの方が耐久性に優れ、品質や色味などにムラが少なく、過度な着色に頼らず自然の風合いを保っているといった特長があります。

かつて、いぐさを手作業で刈り取るのは大変な重労働でした。『いぐさハーベスタ』の復活は、時計の針を元に戻すことなく、今後も機械化されたいぐさ生産を続け、高品質な国産畳を未来へと継承していく強い味方になります。

とはいえ、一度は生産を終えた機種の新型を完成させるのは簡単なことではなかったようです。クボタ社内の開発現場では、以前生産していた頃の様子を知る人が退職などでほとんどいなくなっており、旧型の機種をばらして組み立て手順をゼロから作り直したそう。いぐさの収穫は朝露に濡れた状態で行う(機械との摩擦でキズがつくのを防ぐため)ため、農家を訪れての研究開発が約1ヶ月の収穫期間の早朝に限られるなど、時間的な制約も悩みの種だったとのこと。

いぐさ収穫の様子

いぐさ収穫の様子

いぐさハーベスタを使用した刈り取りの様子(提供:株式会社水の子)

刈り取ったいぐさ

刈り取ったイグサ

いぐさは成人男性と同じくらいの大きさに成長します(提供:株式会社水の子)

そんな苦労を乗り越えて完成した新型『いぐさハーベスタ』は、以前の機種に比べてさまざまな進化を遂げています。ガソリンエンジンの排ガス規制に適合したエンジンを搭載。最新の安全鑑定に対応する改造(転倒防止の警報ブザー)を施し、独自の刈取・選別方式(ブロア=風で高精度選別)を採用。さらに、ボディにはいぐさを掲げたくまモンのステッカーが。

クボタ『いぐさハーベスタ』(2条刈)の発売開始は平成29年5月。平成29年~31年の限定生産で、生産台数は100台を予定しています。

そして迎えた、新型のお披露目イベント当日。その場に集まったいぐさ生産に関わる人々から、喜びの声が上がりました。熊本地震からちょうど一年。クボタアグリサービス熊本事務所の向和利所長はいいます。
「震災の爪跡も一部では残っていますが、『いぐさハーベスタ』の再生産を発表できたことは、元気な熊本の農業を取り戻すことに繋がっていくはず。これからも、熊本の農家のみなさまと一緒に全国へ良質の畳や農産物をお届けすることで、震災支援への恩返しをしていきたいです」

  • 農林水産省特定作物統計調査<平成28年産>

詳しくはこちら(プレスリリース)

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