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平成17年6月30日
株式会社 クボタ
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現在、社会的問題となっているアスベスト(石綿)疾病の治療法は未だ確立されていません。また、石綿疾病と石綿暴露との因果関係においてなお不明な点が多く、かつ労災給付による場合を除いて石綿疾病に罹患した時の社会的救済措置が無いのが現状です。
当社は長年に亘り、石綿含有製品を製造してきた企業としての社会的責任を明確にするという観点から下記取組みを行っております。
記
1.当社における石綿取扱いの概要と従業員への対応について
当社は、昭和29年から石綿管の原料として青石綿と白石綿を、また昭和35年から住宅建材(屋根材、外壁材)の原料として白石綿を使用しておりました。
石綿による健康障害を防止するため、青石綿については平成7年4月以降、白石綿については平成16年10月以降、法律で使用禁止となりました。
当社は、既に昭和50年11月に青石綿を使用した石綿管の製造を中止し、平成13年11月には白石綿を使用した住宅建材の製造も中止しました。
また、石綿の取り扱いについては法律を遵守し、従業員の衛生管理や工場周辺への石綿の飛散防止などに留意するとともに、製品の取り扱いマニュアルを作成して配布するなど、当社製品をご利用いただいている方々への安全に対しても配慮して参りました。
一方、過去に職場で石綿を取り扱っていた従業員については、退職後も定期的に健康診断を実施し、石綿による健康被害を受けた従業員に対しては、当社の規定に基づき補償を行っております。
なお、当社における過去の石綿含有製品の事業履歴および退職者を含む石綿疾病患者の状況は下表の通りです。
(1)当社における石綿取扱事業の履歴
事業所
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石綿含有製品
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取扱期間
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石綿の種類
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旧神崎工場(尼崎市)
(現・阪神事務所)
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石綿管
住宅建材(外壁材・屋根材)
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S29〜S50
S46〜H7
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青石綿・白石綿
白石綿
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長洲分工場(尼崎市)
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石綿管継手加工
住宅建材加工
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S39〜S45
S46〜H1
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青石綿・白石綿
白石綿
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小田原工場(小田原市)
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屋根材
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S35〜H13
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白石綿
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滋賀工場(湖南市)
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屋根材
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S47〜H13
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白石綿
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大浜工場(堺市)
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住宅建材加工
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S63〜H7
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白石綿
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鹿島工場(茨城県鹿島郡)
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外壁材
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S55〜H4
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白石綿
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(2)当社における石綿疾病患者の状況(退職者を含む)
?S53〜H16 石綿疾病による死亡者数 75名 (内、中皮腫による死亡者 42名)
?現在療養中の者 18名 (内、中皮腫による療養者 4名)
[注]中皮腫は、石綿との因果関係が特に強いと言われている疾病です
2.当社事業所(旧神崎工場)周辺の中皮腫罹患者の方々への対応について
当社は、尼崎市にある旧神崎工場周辺における中皮腫罹患者の方々に対する対応について、患者の方々や支援団体との話合いを行って参りました。その結果、多額の治療費等が発生しているなど、少しでも早く対応すべきと判断される3名の患者の方々に対する見舞金の支払いを決定いたしました。
今後発症される患者の方々に対する対応につきましても、誠心誠意取組んで行く所存です。すでに亡くなられた方々につきましても、弔慰金をお支払いすることを検討しております。また、当社の他工場周辺で患者の方が発生した場合には、誠心誠意対応いたして参ります。
3.今後の対応について
当社は見舞金という対応だけでなく、かつて石綿を取り扱ってきた企業として、社会的な貢献をすべきであるという考え方のもと、石綿問題について総合的な対策を取るべく、検討しております。
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