壁がある。だから、行く。壁がある。だから、行く。

Documentary of KubotaVol.12Osaka, JAPAN

古くから水と共存してきた大阪。
サステナブルな都市運営を目指す中で、クボタの「水環境事業」がどのように貢献しているのかをご紹介します。

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都市において、
サステナブルな水インフラを
いかに構築できるか?

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西日本最大の都市 大阪
かつてここは「水都大阪」と呼ばれていました。
人々の生活や、賑わいが、水とともにあったからです。

現在、大阪では、
サステナブルな都市運営をしていく上で配慮すべき課題が増加。
水インフラの再構築も課題の一つでした。

都市が抱える制約の中で、水環境を維持・向上させ、
水辺の生活を活気ある賑やかな場へと再生することができるか?

世界の都市にもかかわる、大阪の挑戦に
クボタができることがありました。

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大阪市建設局 理事
寺川 孝さん

大阪の下水道は、古くは江戸時代以前、大坂城築城にあわせて、 太閤秀吉の下水の時期まで遡ることができます。

碁盤の目に町割りをし、町づくりに合わせて、運河なども整備され、その水運を利用した物流システムが組み上がり、よく言われる「天下の台所」という形で、経済・商業の中心として栄えてきました。

大阪市は水の都と言われていますけれども、今でも市域の10パーセント、実は1割ぐらいが水面で占められています。

従いまして、川の汚染ですとか、海域が汚染されることというのは、生活環境が悪くなるだけではなく町の価値そのものが下がってしまうということになります。水とともに発展してきた大阪市ですので、水環境を維持・向上していくということが、とりわけ重要ですし、その中で下水道の果たす役割というのは非常に大きいものだと考えております。

高度経済成長期の中で発展していく街と反比例しているようなかたちで、河川の水質が非常に悪くなった時期がありました。
急速に整備を進めてきたわけですけれども、昭和57年には、今あります全12カ所の下水処理場で、活性汚泥による処理が開始することができ、昭和59年には、実は下水道の人口普及率は99パーセントということで、ほぼ概成をしていた状況になります。

下水道整備により、河川の水質は大きく改善し、川沿いを散歩し、観光のための船が行き交うまでになりました。
しかし、早くから下水道整備を進めてきたことで、施設の老朽化が顕在化しており、処理場においては設備を中心に、改築・更新にこれまで取り組んできております。

大阪は、ほとんどが都市部であるため、土地が狭く、空いている場所がありません。狭い場所での工夫は、先人の方がいろいろと考えられてきたことであると思います。
今回採用したMBRは、もともとある箱をどのように活用するか。つまり、箱そのものを増やすことができない状況で、現在の箱の中でもっと効率を上げるための方法の一つが、今回の膜分離活性汚泥処理、MBRになると思います。
※ MBR:Membrane Bioreactor(膜分離活性汚泥法)

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大阪市建設局 課長代理
横倉 加寿恵さん

ここ中浜下水処理場は、全面的な設備の更新が必要とされていましたが、住宅密集地にあること、それから限られたスペースの中で、より高度な処理と環境負荷の低減を両立することが必要でした。

そこで私たちが注目したのが、 膜分離活性汚泥処理技術(MBR)でした。MBRというのは、特殊な「膜」を使うことで、より効率的に下水処理を行う技術です。従来使われていた最終沈殿池も不要となるので、より小さな面積で多くの水処理が可能となります。
さらに、今回採用したMBRは、電気使用量の低減にもつながり、ランニングコストに加え、処理に関わる CO2排出量削減の観点からも、私たちが求めていた技術でした。

大阪市では、「水の都」大阪を代表する道頓堀川の水質を改善するために、さまざまな取り組みを行っています。

これまでも、潮の満ち引きを利用した水門操作によって、きれいな水を優先的に取り込む運転をしたり、川の底にたまった泥を取り除いたりしています。 
また、強い雨が降ったときでも、下水が川に流れ出ないようにするため、大きな貯留管(平成の太閤下水)を建設しました。

こうした取り組みに加え、今回、中浜下水処理場のMBR処理水を道頓堀川に送水することで、さらなる水質改善が図れるものと期待しています。

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大阪大学院工学研究科
環境エネルギー工学専攻教授
池 道彦さん

今までは人間の便利性だけを追求してきたのですけれども、持続的な、都市環境を生み出すためには、地球への環境負荷を下げるような形でのインフラの構築というのは、重要になってくるかと思います。
そのためには今までと違うような大きな価値観の転換、ビッグシフトが求められています。

省エネ・省資源で低炭素、それから、物質を循環させるというような機能、その上で低コストであるということが、重要になってくるかと思います。

水処理に限って考えると、これから水を水として捉えるのではなくて、水の中に含まれてる物質だとかエネルギー、そういうものも循環させて、
同時に水を再生する、そういうことが重要な時代になってきているのだろうと思います。

その中でMBRというのは、とにかく水質を、いろいろな形で制御できるという特徴を持っているので、水だけではなくて、水にかかわる全てのものを循環させる中での1つの重要なパーツになってくるのではないかと考えます。

MBRは、下水処理場のみならず、
商業施設などでも導入され、
汚水を再生水として利用する役割も果たしています。

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近鉄不動産株式会社
ハルカス事業部 部長
西畑 宏昭さん

あべのハルカスは、日本一の高さ300メートルの超高層複合ビルとして、2014年の3月にオープンしました。

(開発時)環境への配慮を最優先に考えていました。様々な再生可能エネルギーなどを取り入れることで、約30%のCO2の削減を達成しています。
※標準的なビルと比較

省エネルギーを考える上で節水は非常に重要な課題でした。
今回は、ホテルの客室の排水を再利用して、百貨店のトイレの洗浄水などに活用して、全水使用量の約30%を節約しています。

百貨店のトイレというのは非常にお客様が多い、(1日あたり)10万人くらい平均いらっしゃいますので、その百貨店で全部水が使える、そういう需要があるところにこの再生水が使えるという非常にありがたい仕組みになっています。

再生水を使用することで、コスト面にも非常にメリットがあります。

液中膜(MBR)により排水の再利用による節水効果で、今後ますます深刻化する水資源問題の解決に役立つものと考えています。

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大阪大学院工学研究科
環境エネルギー工学専攻教授
池 道彦さん

水インフラはただ水をきれいにすることだけではなく、さまざまな面で環境への負荷を、低減するということも考える時代に大きくシフトしてきています。

今までのインフラを変えていくパーツとしての下水に入ってくるMBRと、民間が活用するようなMBR、それの両方が、コンビネーションという、両方が組み合わさることで非常に面白い代謝ができあがる、今までできなかったようなことができるシステムになります。

MBRのような新しい技術を取り入れることで、水を通じてサステナブルな社会の構築に貢献することを期待しています。

大阪が世界の主要都市のロールモデルになる可能性は十分にあるものと思います。

クボタのMBRは、
都市開発の課題や制約に寄り添いながら、
水を綺麗にすることに挑戦し続けてきたクボタならではの技術と言えます。
これからの持続可能な社会の支えとなっていくことでしょう。

大阪から、世界へ。

協力:水都大阪コンソーシアム/大阪市立図書館デジタルアーカイブ/(株)イカロス

History

クボタ水環境事業の歴史

1893年に、国内初の水道用鋳鉄管を製造したクボタは、現在では上水道から下水道までをカバーする「水関連総合メーカー」として、世界約70ヶ国以上の水インフラの整備に貢献しています。水環境事業は、経済成長に伴う水環境の汚染が社会課題として関心が高まるなか、1962年に事業を開始。日本やアジアなど様々な国、地域の水処理に取り組んでまいりました。
クボタが開発した液中膜®に生物処理を組み合わせたMBRは、高度な処理水質と施設のコンパクト化を実現。国内外の下水処理施設に加えて、食品工場などの産業排水施設にも多数導入され、現在は世界各地に広がっています。

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    大阪・中之島での水質調査を
    行なう様子(1966年ごろ)

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    1963年、水処理事業部発足後に初受注した広島県三次市のし尿処理施設

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    1998年、公共下水道への
    MBR導入
    (Porlock 下水処理場、イギリス)

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    2005年、MBRによる国内初の下水処理場が稼働開始
    (兵庫県 福崎町浄化センター)

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    2013年、北米最大級の
    MBR施設を受注
    (オハイオ州カントン市
    水再生処理施設、アメリカ)

クボタの水環境ソリューションについて
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