GLOBAL INDEX 2013 KUBOTA CORPORATE COMMUNICATION MAGAZINE
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30KETとSKMTを後にした我々は、バンコク中心部から南東へ約60km、チョンブリ県にあるSKCアマタナコン工場に向かった。タイにおけるクボタの最大の生産拠点がSKCであり、バンコク中心部から北北東45㎞にあるパトゥムタニー県のナワナコン工場で横型ディーゼルエンジンと耕うん機を、チョンブリ県にあるアマタナコン工場でトラクタ、コンバイン、ロータリー(トラクタに取り付け、爪の回転によって土を耕す機械)を製造する。アマタナコン工場の製造部門をマネジメントしているのはタイ人であり、タイの農業に対する想いも人一倍強い。「タイの農業の機械化を推進していくために大切なのは、農家のニーズにきめ細かく応えていくことです。私はタイ人ですし、農業経験もあるので、タイ農家の気持ちがよくわかります。地域によって土壌も違いますし、機械の使い方も違ってきます。タイ人の心を反映させた機械を作っていきたいです」(SKCコンバイン&ロータリー製造部長 ソムチャイ・リントーンシッティクン)「タイにとって農業は極めて重要な産業です。しかしその担い手である農家の多くは貧しさの中にあります。農作業は辛く、どうしてこんなに苦労しなければならないのかと思うほど、農業の現場は厳しいものがあります。機械化の推進はその状況を突破する有効な手段。そのためにも、生産コストを削減し低価格を実現したい」(SKCトラクタ製造部長 プラソン・アドゥンラタナヌクン)二人に共通するのは、トラクタやコンバインの生産に携わることが、タイの農家を支援し、タイの農業の発展に貢献するという確信にほかならない。タイにおけるクボタの現地化の中で、もう一つ重要な位置を占めるのが、2011年7月から稼働したクボタプレシジョンマシナリー(以下「KPMT」)である。KPMTは油圧機器の生産拠点で、トラクタ用インプルメントを制御するシリンダの生産を担う。特にタイにおいては、日本以上に稼働時間が長いため耐久性が高いシリンダが求められる。「使う人、つまり農家の人の目線に立って故障しない、性能の安定した、安価な油圧機器を生産することが私たちのミッションと考えSKMT、KETで製造されたエンジンは、SKCで最終製品へと組み入れられる右:KPMT社長 真嶋利仁中:KPMTマネージャー 安田敏行左:KPMTマネージャー 今西秀爾SKC トラクタ製造部長プラソン・アドゥンラタナヌクンSKC コンバイン&ロータリー製造部長ソムチャイ・リントーンシッティクン
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