GLOBAL INDEX 2011 KUBOTA CORPORATE COMMUNICATION MAGAZINE
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0809 10人乗りの大型ワゴン車を巧みに操り、バイクの波をかき分けて進むドライバーの運転で我々が向かったのは、ホーチミン市から北に45km、ミーフック工業団地にあるクボタのベトナム市場開拓の拠点である。ベトナムは国民の約7割が農村部に住み、輸出も全体の約3割を農産物と水産物が占める国であるにもかかわらず、農業分野の機械化率は約20%に留まっているのが現状だ。クボタは数年前から市場調査を開始し、ベトナム、特にメコンデルタ地域は“機械化前夜”の状況を呈していると判断、2008年9月にトラクタ・コンバインおよびインプルメント(装着用器具)等の製造会社としてKVCを設立した。ベトナムで機械化が要請されているのは、効率的な収量向上に加え、工業化の進展で労働力が大都市に集中したことによる人手不足が大きな要因だ。そんな状況の中、KVCがいち早く取り組んだのは、メコンデルタを中心としたディーラーネットワークの構築だった。現在、メコンデルタ地域はほぼ網羅した体制を確立している。 「私たちは、ベトナムでNO.1の総合農機メーカーを目指していますが、そのためのカギを握るのは強いディーラー網であり、それによる顧客サービスの充実だと考えています。今、最も力を注いでいるのもその点。研修等の実施で各ディーラーのスタッフに“サービスマインド”を浸透させるなど、ビジネスに取り組む意識レベルの向上に取り組んでいます。今後、欧米メジャーや日本の競合他社がベトナムに進出してきた際に、サービスの質が最大の差異化の要素になってくるはず。サービスマインドの醸成で、各ディーラーのサービススタッフが、ユーザーニーズに的確に応えるソリューションを実践すること。その実現が目下の課題ですね」(KVC社長・鈴木聡司) ホーチミン市の朝は、通勤や通学の バイクが道を埋めつくす ホーチミン市の中心を流れる サイゴン川は、水運の拠点でもある ヘン・サン・ロータリーは ベトナム中部・北部 地域への起点となる 交通の要衝である
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