GLOBAL INDEX 2011 KUBOTA CORPORATE COMMUNICATION MAGAZINE
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0809 ホーチミン市―。フレンチコロニアル風の建物や、街の中心にそびえるオペラハウス、カトリック教会など、かつてのフランス植民地統治の名残はそこかしこに見出せる。同時にホーチミン市は、1986年のドイモイ(刷新)以降に導入された社会主義市場経済によって、沸騰するように急成長を遂げてきた街であり、それは今も進行中だ。ベトナム戦争の終結を告げた1975年当時の“サイゴン陥落”の面影がないのは当然としても、かつてよく目にしたアオザイを着た女性やバイクに乗って家族が夕涼みする風景など、南国的長閑さは確実に失われつつある。市場経済を進めるために急速な勢いで行われた外資の導入が、街並みを一新させた。高層ビル、瀟洒なマンション、ショッピングセンター、ブランドショップ、外食チェーンや家電量販店……欧米や日本等の先進国とさほど変わりのない風景がそこにはある。そして、その景色を切り裂くように突っ走るのが夥しい数のバイクだ。通勤退勤時ともなれば圧倒的な数のバイクが津波のように通りを埋め尽くす。あたかも、バイクが「アジアの新興国」ベトナムの経済成長を牽引するかのようにも見えてくる。 メコンデルタ・ディーラー網の確立と “サービスマインド”の醸成 しょうしゃ おびただ のどか Chapter.1 [食] メコンデルタの豊穣 超高層ビルの建築も進む ホーチミン市内 19世紀末に建てられたサイゴン大教会(聖母マリア教会) クラシックなアーチ状の 天井が見事な中央郵便局 Ⅰ

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