GLOBAL INDEX 2011 KUBOTA CORPORATE COMMUNICATION MAGAZINE
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4445 こうした状況の中、企業は経営を持続させながら体質を変えていくサステナブル経営を実践するしかありません。持続的成長を目指すためには、環境影響を最小化しつつ価値を最大化する“環境効率”の増大が求められます。しかし、従来そこにあったのは相対的な環境経営でした。これからは、“絶対的”な取り組みが求められます。より端的に言えば絶対的なCO2の削減です。生命の生存そのものが危うくなりつつある現在、たとえば“環境にやさしい”製品作りといった生ぬるい感覚から脱却しなければなりません。CO2の削減量を誇らしげに強調するのも意味がありません。CO2排出は地球規模の“犯罪”という自覚が必要です。そして、カーボンゼロ企業からカーボンマイナス企業へ、いかにして転換していくかが問われています。相対的な環境経営から絶対的な環境経営へ。それは21世紀に企業を経営する道徳的義務であり、ある意味で宗教的信念の実践ともいえます。 そして絶対的環境経営を実現するために必要なことは、トップのリーダーシップにほかなりません。リーダーが高い志、高い環境理念を持って社員をリードすることです。リーダーの決断が今こそ求められています。かつて、あるメーカーのトップが、オゾン層破壊の元凶とされたフロン使用を2年以内に中止することを発表しました。代替技術が何もない中での宣言でした。それを受けて社員は代替技術の開発に取り組み、2年を待つことなく新技術を確立したのです。リーダーが決断すれば状況を変えることができる好例です。 地球は牙を剥き始めています。自然は決してやさしいものではありません。今後10~20年、地球は恐るべき危機の時代、疾風怒濤の時代を迎えるでしょう。その中で企業や経済界は断固たる決意で新たなイノベーションを起こし、21世紀型経済ともいうべき新しいパラダイムやルールを確立することが迫られています。清水の舞台から飛び降りるように、“ジャンプ”するのは、今このときなのです。 相対的な環境経営から絶対的な環境経営へ リーダーの高い環境理念による決断を

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