GLOBAL INDEX 2011 KUBOTA CORPORATE COMMUNICATION MAGAZINE
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Chapter.3 [環境] Ⅲ4041ベンチマークは「100年」の耐久性 -次世代耐震管「GENEX(ジェネックス)」 近年、国内の水道普及率は97%を超えた。水道は文字通りライフラインであり、必要不可欠のインフラであることはいうまでもない。そして今、高度経済成長期に建設してきた多くの水道管路は老朽化し、更新の時期を迎えている。それに合わせて、水道管路に要請されているのが耐震化であり、更新コストの縮減及び長寿命化だ。2010年秋、クボタは水道管路用の次世代耐震管「GENEX(ジェネックス)」を市場に投入した。「GENEX」は、長年にわたって継承されてきたクボタ鉄管開発のDNAが結実したものである。 Column地震国・日本の水道管路を支える 「ダクタイル鉄管」 その他 4% 鋳鉄管 4% 石綿管 2% 塩ビ管 32% 鋼管 3% ダクタイル鉄管 55% 耐震継手ダクタイル鉄管の出荷動向(水道)0 10 20 30 40 50 60 70 '08'06'04'02'00'98'96'94'92耐震管出荷比率(%) ’95阪神・淡路大震災 *出荷比率…全管種出荷重量に占める耐震管重量の比率(日本ダクタイル鉄管協会調べ) 総延長 約60万km パイプシステム事業部鉄管研究部第2グループ長/岸正蔵日本国内の埋設水道管の割合(2007年度) 日本の国土には約60万kmに及ぶ水道管が埋設されている。その内の約33万km(55%)が“ダクタイル鉄管”だ。高強度で伸びのある強靭な材質のダクタイル鋳鉄は、地盤変状に柔軟に対応できる高い耐震性や優れた耐食性などの特徴を持つ。クボタは、アメリカで発明されたダクタイル鋳鉄の基本特許を取得、1954年に国内で初めてダクタイル鉄管を出荷した。その後、新潟大地震(1964年)、十勝沖地震(1968年)の発生を契機として地震に強い水道管路開発の要望が高まる中、クボタはこれに応える形で耐震継手管を開発。1995年の阪神・淡路大震災においても、神戸市内に約270kmの耐震継手ダクタイル鉄管が埋設されていたが、水洩れや破損の被害は皆無。その優れた耐震性が未曾有の大地震でも実証され、今日では耐震化の切り札として国内で広く使用されている。また水質の高水準化という面でも、高い水質衛生性を持つエポキシ樹脂粉体塗装管を開発。20年以上を経ても塗膜は健全な状態を維持していることが実証確認されている。今回クボタが製品化したジェネックスは、こうした優れた性能と品質を持つダクタイル鉄管の次世代版だ。ジェネックス直管の継手構造「直管の継手構造開発における最大のポイントは、挿入力低減と水密性確保の両立。ゴム輪を”Twin Bulb”構造にした結果、挿入力を従来の耐震管の約3分の1に低減できました」1本のレバーブロックで、わずか50cmの溝でも接合できることは、コスト縮減に加え、作業者の負担軽減にもつながる挿し口突部挿し口ロックリング・ロックリングホルダ受口挿し口突部Twin Bulbゴム輪第2バルブ第1バルブヒール部
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