GLOBAL INDEX 2011 KUBOTA CORPORATE COMMUNICATION MAGAZINE
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3637 「2001年頃に、循環流動炉の技術プレゼンを行いました。特に強調したのは環境特性です。ダイオキシンが発生しにくいこと、省エネ・高効率であるため全体としてCO2削減につながること。さらに重要なポイントは下水汚泥焼却炉から発生するN2O(一酸化二窒素)です。これは、CO2の約300倍もの温室効果があるガスですが、循環流動炉は焼却温度の高温化によってN2Oの排出を大幅に削減します。焼却炉に求められるのは安定して燃焼するというのが大前提なのですが、それも含めて環境特性をPRしました」(水・環境システム事業本部海外プロジェクト管理部・汚泥焼却チーム担当課長 横田修) こうしてクボタは2002年に建設を開始。循環流動炉は2005年に稼働し、一日60tの汚泥の焼却が可能となった。循環流動炉の導入は、地球温暖化防止という側面から見れば、N2Oの発生を大幅に削減したことが特筆されるが、もちろん省エネ施設であることからCO2削減にも寄与している。2005年度比で、2006年度4.48%、2007年度7.78%、2008年9.19%のCO2削減を達成した。 2008年、浜松市は明確にターゲットを定める。中部浄化センターにおける2010年度のCO2排出量を、2005年度比で19.2%削減することを目標としたのだ。引き金となったのは、焼却炉の燃料となる原油価格の高騰である。2008年当時、原油価格が1バレル140ドルを記録したことに伴い、下水汚泥焼却炉で使っていた灯油価格も高騰。浜松市はコスト削減の対応を迫られていた。そこで生まれた発想が、焼却炉の燃料を灯油から天然ガスに転換するというものだった。それによってコストの安定化がもたらされるのみならず、CO2削減を実現できるのではないか。しかし、灯油から天然ガスへの燃料転換という前例はどこにもない。そこで、クボタに技術検討の話が舞い込んだのである。 ニーズに的確・迅速に応えて実現した 灯油から天然ガスへの燃料転換 水・環境システム事業本部海外プロジェクト管理部汚泥焼却チーム担当課長/横田修上下水エンジニアリング営業部大阪営業課担当課長/山田哲豊(図1)循環流動焼却炉Chapter.3 [環境] 地球温暖化防止へのマイルストーン Ⅲ

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