GLOBAL INDEX 2011 KUBOTA CORPORATE COMMUNICATION MAGAZINE
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工業利用 灌漑 農地還元 窒 素・ リン 中水 バイオガス メタン発酵 (膜型 ) 消化汚泥 ⇒ 液肥 処理水 好気処理AO+MBR安徽省合肥市でのモデルプロジェクトの構想図透過液 余剰汚泥 浄化槽汚泥 官亭鎮事業系生ごみ +新農村生活生ごみ CN G 車 生活排水 官亭鎮区+新農村 景観水 自動車用燃料 低濃度排水 畜産系+食品加工(屠畜場等 ) 高濃度有機排水 CNG (圧縮天然ガス ) 精製 隣接の工業園区 隣接の工業園区 回収 2627安徽省発展研究中心副主任/戴培昆氏Chapter.2 [水] 命の水源、巣湖の蘇生 Ⅱ経済産業省所管の特例財団法人で1972年設立。日本国政府及び日本の経済界、産業界の支援の下に、日本と中国との経済交流や技術交流を促進するための事業を長年に渡り行ってきている。 (注1)(財)日中経済協会 今回のプロジェクトの全体像は、これまで単独に処理される方向にあった農村特有の水質汚染源を組み合わせて総合的効率的に処理し、そこから得られる中水やバイオガス、液肥などの副産物を有償で地元に提供することにより長期持続的な運営を目指すものである。具体的に見て農村の環境改善に挑む 「MBR」と「メタン発酵」 いこうとする構想が生まれていた。(財)日中経済協会は、安徽省発展研究中心の構想に基づき、クボタを含む国内企業数社に協力を仰いで具体的な検討を進め、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、略称のNEDOと表記)の事業公募に応募し採択されたことで、プロジェクトは始動したのである。発案者の一人でもある安徽省発展研究中心・副主任の戴培昆氏は、今回のプロジェクトの意義を次のように語っている。 「一つ目は経済発展した日本と経済発展真っ只中の中国が協働・協力して行う環境保護活動であること。これは日中国際交流の一つの形です。二つ目は、日本企業の市場拡大に寄与するとともに中国は技術導入を図ることができ、国際的なWin-Winの交流が実現すること。そして三つ目は中国の改革開放政策に完全に合致していることです。このプロジェクトを中国の先進的プロジェクトとして是非成功させたいと考えています」 今回のプロジェクトは、2010年10月に開催された中国共産党中央委員会全体会議で採択された第12次5カ年計画(国家戦略として今後5年間の経済・社会発展の主要目標が提示された)の方向性にも沿ったものだ。同計画によれば、計画期間中に全国各地の農村地域で小規模排水処理施設が集中的に建設されていくことになる。したがって、今回のプロジェクトの成果は、今後中国が農村地域の汚水処理施設整備等に関する各種基準やガイドラインを整備していく上でのモデルケースとなることが期待されている。
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