GLOBAL INDEX 2011 KUBOTA CORPORATE COMMUNICATION MAGAZINE
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Hefei2425日中国際協力が始動 Win-Winの関係構築へ向けて 2000年以上の歴史を持つ合肥は、今や近代都市へと変貌を遂げている合肥は三国志の古戦場としても有名で「三国故地」と呼ばれている-合肥三国新城址公園にてルは極めて低い。農村地域の下水処理率は20%以下、生ごみも適切な処理がなされないまま放置されたり、生活排水や家畜排泄物の多くは簡易処理か未処理のまま河川等に放流されているのが現状だ。したがって、水質汚染の原因を絶たない限り、水はきれいにならない状況にあり、根本的かつ抜本的な解決策が求められているのである。“三河・三湖”流域を中心に、こうした水問題を抱えている地域は少なくないが、今回我々が向かったのは三湖の一つ「巣湖」に隣接する安徽省合肥市―、今回クボタが参画したプロジェクトの舞台となる地である。 安徽省は、北京から飛行機で南下すること約1時間半、中国・華東、長江の中流に位置する。その省都が安徽省のほぼ中央部に位置し、約500万人の人口を抱える合肥市である(中国の行政区は省、市、県、鎮、郷、村で構成されており、都市の周辺にある県以下が農村部と定義されている)。合肥市は、地域の政治・経済・文化の中心であり、地方都市でありながらも、省都だけあって経済発展著しい中国の今を垣間見ることができる。その象徴は、集合住宅を中心とした凄まじいばかりの建設ラッシュだ。市内のどこにいても建設中の高層ビルが目に入ってくる。我々が訪れたのは1月下旬。春節(旧正月)を目前に、街は新年を迎える準備でにぎわいを見せていた。 具体的なプロジェクトの内容に言及する前に、最初にその背景を抑えておきたい。そもそも今回のプロジェクトは、(財)日中経済協会(注1)が経済産業省より「平成20年度アジア産業基盤強化等事業(中国水投資環境整備に資する協力のあり方に関する調査)」を受託したことに端を発する。そして、その契機となる問題提起を行ったのが、中国・安徽省政府直属の政策提言シンクタンク「安徽省発展研究中心」である。安徽省にある三大ワースト湖沼の一つ“巣湖”は、国家の重点改善地域にも指定され汚染対策が実施されてはきたが、一時的な水質浄化はあっても持続的で有効な成果は出せていなかった。それは巣湖流域と合肥市周辺に点在する農業面源汚染に由来する水質汚染への抜本的対策が打てていないことによるものだった。安徽省発展研究中心では、問題の解決方法として巣湖に流入する水域(農業面源汚染地域)の浄化により、巣湖の水質改善につなげようという考え方のもと、汚染物質を利用したメタン発生・利用システムの導入普及により、エネルギーの確保と汚染低減を同時に実現して

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