GLOBAL INDEX 2011 KUBOTA CORPORATE COMMUNICATION MAGAZINE
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Chapter.2 [水] 2223Ⅱ命の水源、巣湖の蘇生 中国・安徽省合肥市周辺部における 環境調和型水循環プロジェクト 「水の世紀」といわれる21世紀―それは、爆発的な人口増加や経済成長、急速な都市化、水質汚染、さらには地球温暖化などに起因する地球規模での水需要の逼迫を指し示す言葉だ。水資源を巡る問題が世界的に注目を集める中、中国でも水問題が顕在化しつつある。人口が増加傾向にある中で、水資源の希少化と水質汚染の深刻化が同時に進んでいるのだ。中国の深刻な水不足の原因は、絶対量の不足と地理的・季節的偏在に加え、汚染による水質悪化によるところが大きい。こうした現状に対して、中国政府は各種法律を整備するとともに、上下水道事業を2002年から国内の民間事業者と海外の事業者に開放した。欧米系の水メジャーと呼ばれる企業が続々と進出し、著しい経済成長を背景に活気ある巨大市場が形成されてきた。たとえば、中国の大都市では、わずか7年の間に建設・着工中を含め約2,000カ所もの下水処理場が建設されている。しかし、それにも関わらず全国の主要流域の水質改善はそれほど進んでいない。そうした背景の中、今回クボタが参画した、中国・安徽省合肥市周辺部(農村地域)の「環境調和型水循環プロジェクト」は、中国の“水の未来”に一石を投じるものである。進展するプロジェクトの現状と課題を現地で追った。 北京 上海 安徽省・合肥市
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