GLOBAL INDEX 2011 KUBOTA CORPORATE COMMUNICATION MAGAZINE
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1617コンバイン購入は“投資” メコンデルタ・賃刈屋の熱い期待 ノー・フック・ヨングさん(左)と グエン・ヴァン・トイさん(右) ドンタップ省で農業を営む グエン・ヴァン・タンさん 船に載せて圃場まで運ばれていくコンバイン。 メコンデルタ一帯でよく見られる光景だ 「ロス率の低いクボタ製コンバインのおかげで、賃刈受注も増えています。 生活が救われたという実感があります。どんどん賃刈を拡大していきたいですね」と語る 手刈による賃刈が本格的にコンバインに転換したのは、中国製コンバインが導入された数年前にすぎない(トラクタによる賃耕も行われているが、目下メコンデルタで注目されているのがコンバインであるため、ここでは賃刈にフォーカスする)。今、メコンデルタの機械化を牽引する賃刈屋のビジネスは、ある種の“熱狂”の渦中にある。20haの農地を持つ賃刈屋、ノー・フック・ヨングさん(40歳)に話を聞いた。 「当初中国製コンバインで賃刈を行っていましたが、性能の高さに着目してクボタ製に切り替えました。ロスが少なく壊れにくい。値段が高いこと以外はパーフェクトです。現在数台のコンバインを所有していますが、もう何台かは欲しいですね」 ヨングさんの年間に賃刈する農地は約1,000ha。コンバインの年間稼働時間は数百時間にもおよぶ(日本に比べて、コンバインの耐久性がより強く求められるのはこのためだ)。年間の賃刈収入から、賃刈の際に雑業で人を雇うなど、経費の支払を差し引くと、年間の賃刈実収入はおよそ数億ドン。これに加えて、自分の持つ農地から産出する米の販売売上もある。親兄弟6人で農業を行っているとはいえ、その所得水準はごく一般的なメコンデルタの農家とは雲泥の差だ。ただ、コンバインは“打ち出の小槌”ではない。賃刈屋の中でも競争原理は働く。ヨングさんによれば、ロス率を低くしより早く収穫するなど、発注者である農家のニーズに的確に応えていることで受注量が拡大しているということだ。 もう一人の賃刈屋、グエン・ヴァン・トイさん(38歳)が自分で保有する農地は70ha。朝7時から深夜1時まで年中無休という働きぶりだ。年中無休の賃刈が可能なのは、3期作であることに加えて、メコンデルタエリア内を旅して賃刈するからである。メコンデルタは網の目のように水路が張り巡らされているが、その水路や運河を使って船にコンバインを積んで移動しつつ、賃刈を行う。クボタ製品の良さを認めつつ、要望も少なくない。 「もっと馬力が高いものが欲しいですし、一層の軽Chapter.1 [食] メコンデルタの豊穣 Ⅰ

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