さまざまな鍬(くわ)を使った畔塗り(あぜぬり)

さまざまな鍬(くわ)を使った畦(あぜ)塗り

この記事をシェアする

twitter facebook line

田んぼを取り囲む壁に土を塗り付ける「畦(あぜ)塗り」。
土の性質に合わせて、さまざまに工夫された鍬(くわ)を使って作られていました。

田んぼの水漏れを防ぐ「畦塗り」

畦塗りは、田んぼの土を田んぼを取り囲んでいる土の壁に丁寧に塗り付けて、割れ目や穴を防ぎ防水加工をすることです。小さなヒビやモグラが開けた穴から水が漏れるのを防ぎます。

この畦塗りで使われるのが鍬です。鍬は土を掘り起こしたり、反転させたり、砕いたり、除草などもできる農具の代表です。近世の農書「農具便利論」に「鍬は国々にて三里を隔ずして違ふものなり」と記されており、地方によってさまざまな工夫がなされていました。土の性質に応じて鍬の鉄の部分である鍬先(くわさき=刃先)や、それを取り付ける角度も微妙に異なります。

畦塗りに使われた鍬

鍬は使用目的によって、1.打ち鍬(田畑の荒起こし、開墾用)、2.引き鍬(畦作りなど土の移動用)、3.打ち引き鍬(おもに粘質土の耕作用)に分類されます。

打ち鍬(うちぐわ)

・打ち鍬(うちぐわ)
打ち鍬は、打ち込みにより土を反転・耕起するもので、全体に強靱なつくりです。石の多い荒地の開墾や土木作業にも用い、前進しながら使用します。刃先と柄の角度は直角ないしはそれに近い鋭角(60~80度)が一般的です。高く持ち上げて土に打ち込むために、ある程度重い方が良いとされています。古墳時代には板の刃先に代わって鉄製のU字型の刃先が使われていました。

写真のように木製の身に鉄の刃先を付けた鍬は風呂鍬(ふろぐわ)と呼ばれています。風呂を作るのと同じ職人がこの鍬の台や柄を作る仕事をしていたので、風呂鍬と呼ばれるようになったと言われています。

長さ185mm・高さ1040mm・奥行き600mm

引き鍬(ひきぐわ)

・引き鍬(ひきぐわ)乾田や粘質土の田んぼを深く耕す鍬です。刃を又状にして土との接触面積を少なくし、土がくっつきにくくなっています。三つ刃、四つ刃などの種類があり、より深く耕すために長い刃を付けた種類もあります。

長さ290mm・高さ1230mm・奥行き180mm

打ち引き鍬(うちひきぐわ)

・打ち引き鍬(うちひきぐわ)打ち引き鍬は、打ち鍬と引き鍬の中間的な鍬で、刃先と柄の角度も両者の中間値を示します。

長さ290mm・高さ1180mm・奥行き120mm

田んぼのマナー、畦に気をつけよう

稲作は水管理がポイントの一つ。そして、畦は田んぼの水を管理するための、大切な土の壁です。田んぼの生き物や稲の花を見学するときには、うっかり畦を踏まないように気をつけましょう。

クボタのたんぼをシェアしよう!

  • Twitter
  • Facebook
  • LINE
ページトップへ ページトップへ