GLOBAL INDEX
March 2014

FEATURE
"INDONESIA"

04

KUBOTA
in INDONESIA

Food

お米の生産性向上に貢献する
農業用ディーゼルエンジンを供給
P.T. Kubota Indonesia

P.T. Kubota Indonesia
社長
川瀬 洋道

インドネシアの一人当たりGDPは、2012年に3,500ドルを超え※、農業の活性化と相まって耕うん機の需要は抜群の伸びを見せている。クボタは耕うん機に搭載するディーゼルエンジンを生産しているが、2012年、2013年と爆発的に需要が高まっている。生産拠点であるP.T. Kubota Indonesia(スマラン市)では、工場のラインをフル稼働しているが生産が追いつかず、生産拡大に向け2014年に工場移転が決定している。

クボタ製の耕うん機向けエンジンのシェアは、インドネシア全体で50%を超えるともいうが、今後の事業戦略について同社社長の川瀬洋道さんに聞いたところ「ジャワ島の農業の特徴は、水田が狭く、コンバインやトラクタなどの大型農機が不向きなことから、小回りの利く耕うん機がニーズに応えました。搭載されるクボタのエンジンは馬力と耐久性の面で優位性があることに加え、アフターメンテナンスまで気を抜かず、農家の立場に立って誠実に対応していることが、ブランドの信頼に結びついていると思います。今後は同国でも、トラクタや高級機への移行が進むと考えられます。その市場変化を先取りする生産体制の構築が急務ですね」と語ってくれた。

クボタは2012年、新たな営業拠点P.T. Kubota Machinery Indonesia(ジャカルタ市)を新設。この国の農家の生産性向上と、作業負担軽減に貢献していく。

※ 出所:インドネシア中央統計庁

日本のモノづくり精神
耕うん機の心臓部ディーゼルエンジン

産業革命の立役者が蒸気機関だったように、インドネシアの農業革新の立役者となった耕うん機だが、では耕うん機の性能はどうやって測るのか? ユーザーの立場からすれば、一に馬力、二に耐久性ということになるが、それを左右するのがエンジン部分。 P.T. Kubota Indonesiaでは、主に耕うん機に搭載されるディーゼルエンジンの生産を行っているが、馬力は水牛7頭分、耐久性は約20年というから驚きだ。最大の特徴は、「海外生産拠点でも、日本とまったく同水準のモノづくりを実現できる」ことにあるらしい。設備は一つひとつ日本メーカー製を取り寄せ、部品の調達は現地メーカーの中でも厳しい基準をクリアしたものだけを、生産管理でも日本と同じ指標を用いて生産している。何より、このインドネシアの地で、日本のモノづくり精神に出会えたことが嬉しかった。

Local Brand, Kubota

地域に根付き、愛されるブランドへ

グローバル・ビジネスの要諦は、「地域の文化や慣習を理解し、地域に受け入れてもらい、地域と共存する」ことにある、といっても過言ではないだろう。クボタがP.T. Kubota Indonesiaを設立して以来、インドネシアとは40年余の付き合い。ビジネスの枠を超えて、スポーツ支援、教育支援、文化支援など、さまざまな社会貢献活動にも取り組んでいる。

インドネシアのさらなる成長・発展と人々の豊かな暮らしのために、クボタは今後も地域に根付き、より一層愛されるブランドを目指す。

毎年少年サッカーの大会を開催。今ではスマラン市全域から子どもたちが集まり、優勝目指して競い合っている。
イスラム教徒の習慣としてインドネシアでも行われている割礼の儀式に対し、スポンサーとなっている。
Water & Environment

パーム油生産の課題となる水質汚染を
環境技術で解決

パーム油とはアブラヤシから得られる植物油で、主な用途は食用油や洗剤成分なのだが、実は世界で最も使われている植物油であるということはあまり知られていない。インドネシアは、このパーム油の生産量が世界一なのだ。国の主要産業といってもよいが、その製造工程で排出される廃液が、近隣の河川や海洋を汚染することが世界中で問題視されている。

政府も頭を抱えるこの問題に、クボタは「廃液処理設備」というソリューションを提供。日本の工場廃液処理技術を応用したもので、廃液の浄化のみならず、バイオガスを回収し売電までするという優れもの。2014年、スマトラ島で稼働開始する設備を皮切りに、さらなる普及を目指す。

スマトラ島で建設が進められる廃液処理設備

機械化生産のニーズ高まる
ヤシ園で活躍するミニバックホー

インドネシア・カリマンタン島では、パーム油生産の「機械化」が進んでいる。島南部に位置するサンピットのヤシ園では、クボタの建設機械・ミニバックホーが厚い信頼を寄せられている。大木を扱うヤシ園にはさまざまな重労働がついてまわるが、土木作業から刈り取り作業まで、これ一機で力仕事は何でもこなせる。いまや小規模農家にとって欠かせないものになりつつある。