GLOBAL INDEX 2012 KUBOTA CORPORATE COMMUNICATION MAGAZINE
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有史以来、人類は地震、台風、洪水、干ばつなど数々の自然災害に晒されてきた。人類の歴史は自然の猛威との闘いの歴史でもあった。そして人類は自然を崇め恐れつつ、自然と共に生き、時として自然に立ち向かい、幾度となく自然災害からの復活・再生を果たしてきた。2011年――日本では未曾有の大災害「東日本大震災」が3月に発生した。海外においても1月の「ブラジル洪水」、7~10月の「タイ洪水」、10月の「トルコ地震」、12月の「フィリピン台風災害」などが発生し、各地に甚大な被害をもたらした。国連の国際防災戦略(ISDR)の推計によると、2011年に世界で起きた自然災害の犠牲者は2万9,782人に及び、その経済的損失は過去最大の約28兆1,800億円に上った。高度な科学文明が発達した現在でもなお、自然災害は人類にとって大きな脅威として存在し続けている。自然災害は単なる物的破壊に留まらず、人の心にも癒やせぬ深い傷を残す。これら自然災害の脅威を超克するためには何が求められるのか。今回の「GLOBAL INDEX」では「東日本大震災」と「タイ洪水」にフォーカスし、現地での復旧・復興に向けた取り組みを紹介するとともに、自然災害へのあるべき備えを検証してみた。3VAL人類の命題。自然との共生、自然との闘い~「東日本大震災」と「タイ洪水」の現場から~東日本大震災――津波で瓦礫と海水だけが残った(福島県南相馬市鹿島区)

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