GLOBAL INDEX 2012 KUBOTA CORPORATE COMMUNICATION MAGAZINE
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29道路の実走許可など、現地受け入れのための準備を進めました。日本側で諸条件を整えれば任せられる人材や環境が整備されている点は、“さすがタイだ”と感じました」 また、今回の国際緊急援助隊専門家チームは従来とは異なり、国土交通省、JICAにゼネコンとクボタからスタッフが加わった混成チームとなった。「国交省、JICA、ゼネコン、クボタのスタッフが優れたチームワークを発揮してくれました。救援活動という明確な意識、プロフェッショナルとしてのプライドもあったと思いますね。また、東日本大震災復興支援に対する恩返しの気持ちもあったと思います」(神内氏)(※6) 国際緊急援助隊専門家チームが、アユタヤ県のロジャナ工業団地で排水活動を開始したのは11月19日。そのチームにクボタから参加した計8名のうちの一人がポンプエンジニアリング部工事課の小林寛明だ。小林は、東日本大震災の復旧支援で4月から11月初旬まで、宮城県南三陸町から亘理町のエリアで排水活動に従事していた(※7)。タイ洪水の情報を聞き、自ら手を挙げてタイ行きを志願、被災地である仙台から被災地タイへと飛んだ。 「ロジャナ工業団地の排水ポンプ設置前の水深は約1.5m。完全に浸水している中、手探りの状態でした。印象深いのは現地のワーカーが見事に期待に応えてくれたこと。作業提案もしてくるなど積極的に取り組んでくれました。24時間体制(※8)で連続7日間稼働、しかも30度以上の炎天下でポンプはよく頑張ったと思います。またスタッフには、“オールジャパン”として日の丸を背負っている意識があったと思います」 ロジャナ工業団地からバンガディ工業団地及び周辺住宅地、アジア工科大学院、ナワナコン工業団地、プライバーン町住宅地、ラックホック地区(ランシット大学及び周辺住宅地)へ転進し、排水活動は行われた。この間約1カ月、排水ポンプ車の機動力が奏功し、工業団地内の排水活動は急ピッチでスムーズに進められた。※6:※7:※8:東日本大震災で日本はタイから義援金に加えて、原発事故による首都圏の電力不足に対処するため、ガスタービン発電機2基と付帯設備一式の無償貸与を受けている東日本大震災においては、タイに派遣された同タイプの排水ポンプ車が計71台、全国から集められて排水活動を行った給油時間は停止フル稼働する排水ポンプ車国際緊急援助隊専門家チームのミーティング風景。日々活動の進捗が報告されたタイの人々に向けて、東日本大震災の復興支援へのお礼を掲げた横断幕タイ工業省課長パヌワット・トリヤングンスリ氏JICA国際緊急援助隊事務局 研修・訓練課課長 神内 圭氏クボタポンプエンジニアリング部工事課 小林 寛明

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